俳詣時雨忌の報告

 去る12月8日東京都江東区芭蕉記念館にて日本連句協会主催による第47回俳詣時雨忌を開催しました。

 俳諧時雨忌は昭和46年から東京義仲寺連句会・草門会が運営してきましたが、ここしばらくコロナ禍の影響もあり、中断の止むなきにいたっておりました。その間、各方面からの開催の要望もあり、今回から日本連句協会の行事として再開したものです。
 会場の江東区芭蕉記念館に芭蕉の肖像、伝来の軸を掲げて黙祷、参加36名が7座に分かれてそれぞれの形式の連句実作を行いました。久しぶりに対面した従来からの俳諧時雨忌の常連の方および今回、初めてこの会に参加した連句人もおられて談笑さかんにおおいに興行を楽しんでいただき、会場での有志提供の蔵書の即売などもあり成功裡にお開きとなりました。
 日本連句協会としては春の年次総会における全国連句大会と冬のこの俳諧時雨忌とを連句実作会の二つの柱として拡充していく方針です。今回は日本連句協会としては初めての俳諧時雨忌の運営でありましたので、会員およびそれ以外の連句愛好者への案内が必ずしも十分ではなかったところもあり、以後工夫して大いに宣伝していきたいと考えております。また、この芭蕉記念館のある深川の地は芭蕉が日本橋から退隠して蕉風の連句を追究していく機縁となったところでもあります。周辺には隅田川の辺に立つ芭蕉像、ゆかりの芭蕉稲荷などがあり次回以降はミニ吟行などを企画し、その一環として組み込んでいきたいと考えております。

理事長 林 転石