■もう少し・・・
曼殊沙華沸き立つ赤を寂しとも 冨
道行照らす淡き月影 に
後れ毛をなおす指先菊の水
サフランの香に癒さるる奥座敷
紅葉鮒突つ突き合うて琵琶湖畔
○富士さん、三句も頂き有難うございます。前句「道行照らす淡き月影」は前句と照らし合わせれば、「此の世のなごり、夜もなごり、死に行く身をたとふれば、あだしが原の道の霜・・」という心中の道行きの場面と思いますので(曾根崎心中と同じではないですが)、ここはやはり恋句で受けて頂くところです。恋句というのは一句でもはっきり恋の意を打ち出したものを言います。頂いた句は恋の意が薄く、又前句と少しずれた感じします。もう少しお楽しみ下さい。打越に引っ張られませんよう。