■⑤歌仙「ポケットの」 2018.6.2 起首
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ポケットの中に景色や更衣 雀羅
卯波を蔵うコインロッカー 桃
○では脇を頂きます。大胆な脇句ですが、これも発句の鑑賞から来たものと思います。ポケットに手を入れ手を遊ばせるクセのある人は、着るものにより、季節により、ポケットの中の「景色」を様々に実感します。ポケットが少なくなる夏の更衣以降にはこの「景色」も大きく変化します。桃さんの脇句が実景句ではないイメージのひろがりで受けて下さったのは、こうした発句の微妙な思い入れに向き合われたからと思います。「コインロッカーの中にしまわれた卯波」、なんだか落ち着かないようなシュールなイメージですが、発句作者としてはこのご挨拶、満足しております。連句にはいろんな発句があり、いろんな脇句がある、ということですね。
では第三をどうぞ。