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#18199
雀羅
ゲスト

■⑤歌仙「ポケットの」ナウ2治定   
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⑤歌仙「ポケットの」        2018.6.2 起首

ポケットの中に景色や更衣             雀羅
 卯波を蔵うコインロッカー            桃
大陸に版画の行方追ひかけて           小波
 丘にのぼれば街の灯が見え           田助
町をあげ歌へ踊れの月の宴             富士 月・秋
 背中に眠る児へは秋風              晴

不受不施の寺の団栗転がり来          にゃん子
 百回噛めば満つるしあはせ            麦子
昨日の歯医者の予約思ひ出し             富
 心変はりを責めぬ夕風              小石
お隣のフランソワーズはうちのタマ          桃
 感謝祭から太り始める               羅 
眠らざる街にファミレス冬の月            富 月・冬
 若者あまた雪に彷徨ひ               波
高々と角笛鳴らす妖精王               桃
 文士劇にもギャラが出ていた            羅
フラッシュの残像の中花吹雪く          和嘉子 花・春
 朝市の雲丹啜る熟年               富
ナオ
鐘霞む漫ろ歩きの壱岐の島              鈴代
 何決めるにも四柱推命               に
切り開く定めの先にあるものは            富
 正露丸を船の暮らしに               羅
ルーチンを守り食する夏料理             嘉
 たたかいにある美学忘れじ             羅
相棒は昔馴染みのチューバッカ            桃
  元祖本舗と姦しいこと               富
ヴェローナの恋の聖地のバルコニー          波
 月の光のほどく巻髪                に 月・秋
内密の逢瀬だからと秋一夜              嘉
 ぬぎちらかしてもみぢかつ散る           羅
ナウ
末枯野には思はざる彩潜み              富

○「末枯野(うらがれの)」といっても晩秋の霜枯れ一色ではないのですね。前句の余情を受けてこのましく味わえます。それに比べて、「古酒新酒どちらも好きな山男」は、「ぬぎちらかして」杯盤狼藉やらかしている「山男」であり、さらには、「古酒新酒どちらも好きな」で「古酒新酒」が「ぬぎちらかして」いるとなったらバレっぽくも読めてきます。俳諧は時に際どい読め方するところが楽しい、という方もあります。

和嘉子さん、「何を決めるも四柱推命」は「何決めるにも四柱推命」としたほうがすっきりしますね。私もうっかりしてました。直しておきます。

では雑の短句でどうぞ。