■⑥歌仙「天牛や」発句
∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂∂
天牛や新幹線を止める雨 雀羅
甚平のまま乗り移る舟 和嘉子
○「新幹線を止める雨」というので、尋常でない降り方をした今度の西日本の大雨に、助け出される人の一コマが入りいい脇です。シリアスな場面なのに、一見そう見えない、というところもよいですね。「故郷西に惑う帰省子」、こういう状況もあったと思いますが、もう少しすっきり言えればと思います。「なす術もなく青田冠水」、この通りでしたが、「なす術もなく」は句の裏に隠したい説明です。
「一夜明けたら梅雨明の報」、脇は「同季同場所同時刻」と言います。「新幹線を止める雨」にまだ添った方がいいですね。「パーマをかけて涼し気な人」、二句一緒にするととても面白い絵だと思います。どうして「パーマ」という言葉を思いついたのかなと想像しました。タイトルのところに飾りに「∂∂∂∂∂∂∂∂∂」を入れてあるからかなと・・。これは「天牛」の触角のつもりでしたが、パーマも似たようなものですね(^^) 「 見知らぬ街で燃ゆるサルビア」、「同場所」ということからちょっと離れたように思います。
遅くなりました。では今度は第三をどうぞ。