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#19242
雀羅
ゲスト

■⑥歌仙「天牛や」ウ2治定
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天牛や新幹線を止める雨        雀羅
 甚平のまま乗り移る舟       和嘉子
透かし入りノートブックを文机に     桃
 保養所の庭四季を彩り        富士
風に乗り玉兎の駆けて行く小径     小波
 湧き水で研ぐ郷の新米         富

冬隣内なる鬼と打ち解けて        羅
 小町の歌を懸想文売          桃

○「懸想文売」という不思議な季語が出て来ました。前句の「鬼」の隠れた世界にかすかに通うものがあります。『十七季』には「懸想文売」は「新年」として「江戸時代、元日の寅の刻(午前四時)より、艶書に似た結び文を売り歩いた」とあります。『滑稽雑談』には「元朝より及び上旬の間、大神人身に赤き布衣を著し、頭に白き布巾を頂て、その頭面を覆ひかくし、両眼をのみあらはして、紙布を市中に売る」とあります。「大神人身」は普通には「犬神人」(いぬじにん・つるそめ)と書きますが、京都の祇園社(今の八坂神社)に属した職能集団で、新春の「懸想文」も扱っていたと諸書にあります。「懸想文」は今も新年の京都のどこかで売られていると思います。前句の晩秋に新年の季移りをしてしまうというところ、大胆な読みを提供(要求)しています。

つるつると進むだけでなく、時にはややこし付け筋に入っていくのもこれも変化のうちかも知れません。

ではこれにどう付けられるでしょうか。雑の長句でどうぞ。