■⑥歌仙「天牛や」ウ4
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天牛や新幹線を止める雨 雀羅
甚平のまま乗り移る舟 和嘉子
透かし入りノートブックを文机に 桃
保養所の庭四季を彩り 富士
風に乗り玉兎の駆けて行く小径 小波
湧き水で研ぐ郷の新米 富
ウ
冬隣内なる鬼と打ち解けて 羅
小町の歌を懸想文売 桃
あれ以来三日にあげず見る夢は 富
くらげ寄せくる原発の海 羅
○“付かず離れず”をどう言語化するか、とても難しいですね。それでいながら連句に馴染んでくるとこに余り拘泥しなくなります。いつの間にどうやって克服したのでしょう。克服したと思っているだけで本当のところは分かっていないのではないか、等々、考え出すと落ち着かなくなります。富士さん、この連句の大命題にいつも不安を覚え続けておれるということは素晴らしいこのなのかも知れません。
夏でも雑でもどうぞ。長句です。