■⑥歌仙「天牛や」ウ6治定
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天牛や新幹線を止める雨 雀羅
甚平のまま乗り移る舟 和嘉子
透かし入りノートブックを文机に 桃
保養所の庭四季を彩り 富士
風に乗り玉兎の駆けて行く小径 小波 月・秋
湧き水で研ぐ郷の新米 富
ウ
冬隣内なる鬼と打ち解けて 羅
小町の歌を懸想文売 桃
あれ以来三日にあげず見る夢は 富
くらげ寄せくる原発の海 羅
シャンパンの泡は細かにたちのぼり 桃
絵筆に浸す淡き桃色 嘉
○飲みながら絵筆を持てる人ですね。飲みながら連句するという人もいます。いや、飲まないと付けが浮かばないという人さえいます。色々です。「人魚の尾びれ挿絵リアルに」、治定句と同趣向ですが、打越の「くらげ」に「人魚」どうですかね。古来魚類はいわゆる「水辺」ではありませんが、近接概念の扱いではあります。人魚はさかなじゃないと叱られそうですが。「尾びれ」でひれ酒を連想してしまいました。バチ中りな空想力です。
ではどうぞ。