■⑨歌仙「頭上より」脇治定 2018.12.3 起首
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頭上より普化の鈴鳴る師走かな 雀羅
温糟粥の煮ゆる次の間 和嘉子
○原句は「五味粥を炊く次の間の清」。「清」というのは『坊ちゃん』に出て来る、坊ちゃんに深い愛情を注ぐ老女中の清でしょうか。発句以外表には人名は出せないですから、「次の間」で止めときたいですね。禅宗で臘月会(12月8日)に供する「五味粥」は「温糟粥(うんぞうがゆ)」とも言い音数の具合いいのでこちらにさせて頂けますか。前句が「普化(ふけ)」と釈教ですから釈教の「温糟粥」で受けています。「次の間」があるということはちゃんとした旅をしているということになりますね。元気出そうな「五味粥」です。
「言の葉のタネ拾う夜回り 桃」、虚空に普化の鈴の鳴るのを感じる、この夜回りの人も詩人なんですね。「ルドルフ」というのは猫のアニメの主人公で、首の鈴のことですね。はい、上の〆模様は〆縄です。細かい所によく気が付いて下さいました。
第三をどうぞ。