■⑨歌仙「頭上より」5治定 2018.12.3 起首
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頭上より普化の鈴鳴る師走かな 雀羅
温糟粥の煮ゆる次の間 和嘉子
著者近影思いのほかによく撮れて 桃
トラックの爺小銭数える すいか
空腹を月に覚えて歩き出す 小波
○小波さんの原句は「空腹を月に訴え歩き出す」ですが、「訴え」→「覚えて」くらいなら「空腹」もややマイルドになるのではないでしょうか。
「かそけしは猫のひとみに灯る月 小石」、調って、美しい詠み方です。ただ前句が「トラックで銭を数える爺」ですので、いささか釣り合いが取れないように思います。これを「位」と言います。付句は前句と通い合うものでないといけません。
去年は出なかった咳が今年はしっかり出始めました。癖になった咳で、来年の春南風が吹く日まで続きます。冬季40年続く痼疾で、何をやっても直せません。こんなの一つぐらいあっていいのかなと思うことにしています。
ではどうぞ。秋の短句です。