■⑨歌仙「頭上より」ウ5治定 2018.12.3 起首
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頭上より普化の鈴鳴る師走かな 雀羅
温糟粥の煮ゆる次の間 和嘉子
著者近影思いのほかによく撮れて 桃
トラックの爺小銭数える すいか
空腹を月に覚えて歩き出す 小波
あきつつんつん群なした土手 柳下
ウ
うそ寒の江口の君の歌碑に佇つ 麦子
スーパースター黒眼鏡かけ 桃
流行のルビーの指輪ネットペイ か
戒めとする蝉の抜殻 嘉
飛ばないと決めた歩みにはたた神 波
○『フィガロの結婚』でいたずらもののケービーノをからかう「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」を思い出す付けでした。「蝉の抜殻」はこれで「恋の抜殻」になりますね。もちろんほのめかしなので、そう取らないといけないという筋ではありませんが。
どうぞ。
山小屋の雷雨強まる窓硝子