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■⑨歌仙「頭上より」ナオ2治定 2018.12.3 起首
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頭上より普化の鈴鳴る師走かな 雀羅
温糟粥の煮ゆる次の間 和嘉子
著者近影思いのほかによく撮れて 桃
トラックの爺小銭数える すいか
空腹を月に覚えて歩き出す 小波
あきつつんつん群なした土手 柳下
ウ
うそ寒の江口の君の歌碑に佇つ 麦子
スーパースター黒眼鏡かけ 桃
流行のルビーの指輪ネットペイ か
戒めとする蝉の抜殻 嘉
飛ばないと決めた歩みにはたた神 波
古城ホテルの天鵞縅の椅子 桃
難題に狐狗狸さんを呼び出して 羅
お昼ご飯はかけそばがよい 麦
張込みの刑事(でか)に睡魔がしのび寄り 小石
袋小路に並ぶ雪洞 桃
下駄の鈴からから歌ふ花を撒く か
三宝柑は月の落し子 石
ナオ
遍路宿あがり框の姫だるま 安庵
室戸岬の潮騒を聴く (潮騒)→(春潮) 羅
キリストの像に捧げる宝貝 柳
○コクトーの「耳」という詩の「私の耳は貝の殻/海の響きをなつかしむ」(堀口大學訳)もきこえてくるような付けです。
「遍路」に「キリスト」はどうかというひっかかりもあるかと思いますが、蕉風連句では「神釈越不嫌」とされますので(『貞享式海印録』)、どうしようもない障りとはならないでしょう。要はいい句が出た時はなるべくそれを生かすような式目運用をするということで、式目は守られたが詩は死んだ、では本末転倒と思っています。式目か詩かと捌きを困らせるするどい付句、お待ちします。「宝貝」は現在の歳時記では春になりますので、拙句「潮騒」を「春潮」にします。春が五句続いたということになります。
ではどうぞ。