返信先: インターネット連句を始めます。

ホーム フォーラム インターネット連句 Vol.1 インターネット連句を始めます。 返信先: インターネット連句を始めます。

#42224
雀羅
ゲスト

■⑩歌仙「春立つや」ナウ3       2019.2.4  起首
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
春立つや先づ拾ひ食ふ昨夜(きぞ)の豆           雀羅
 雀の混じる淡雪の庭                 小波
若駒の和毛に遊ぶ風の出て               安庵
 もよう替えする姉を手伝う              小石
いざよいに帰宅の刻を促され               鈴代
 新酒の酔いも加減宜しく               和嘉子

秋蝶は追われ五浦の海に消ゆ               庵
 寵愛を捨て美声持つ夢                麦子
マエストロの赤い靴下まなうらに             うに
 くさい葉巻を厭ふ家政婦                羅
雨期となるカリブに浮かぶ島の旗             嘉
 ネット切断ラジオ頼りに                に 
もち搗きの音をかなたの日曜日              羅
 頭蓋骨から顔を復元                  石
バルテュスの描く少女を笑う猫              庵
 テニスコートに出づる春月               嘉
駆け引きは花の中なる蚤の市               に
 しゃぼん玉来る峰打ちをする              羅
ナオ
ケバブ削ぐ刃物を研いでいるおとと            に
 同じ名前の墓多き村                  庵
音曲のたけなわとなり秋祭                嘉
 ちちろを乗せた銀河鉄道              あげは
きらきらと月に抱かれて待つ子ども            波
 児相の闇に氷柱太りつ                 羅
食パンを焼きながら聞くもがり笛             庵
 売ったピアノは日本海越え               麦
壁紙は幾何学模様だけになり               は
 西部劇にも似合ふ転蓬                 不映
くの一は雨夜の月をうとうとと              に
 囲炉裏火欲しと泣きしあの頃              映
ナウ
鶏頭のどんと届いた楽屋口                嘉
 マスカレードに賤の男の艶                庵
芳町にバロン薩摩の遺すふみ             映   

○ここは恋句で受けるところ、候補句は「陰間茶屋湯島芳町麹町」ですね。純和風で洋風の前句に離れてしまいましたので、両方をつなぐ人物を出してみるといいですね。たとえば、戦前パリで放蕩の限りを尽くした薩摩治郎八とか。バロン薩摩とも呼ばれ、多くの芸術家のパトロンともなりました。漢字尽くしの候補句、「芳町」も「湯島」も古川柳でいう「女でも男でもよし町と云い」という場所ですが(勿論むかしの話)、こういうのはさらりとほのめかすだけにした方がよいですね。思い切って一直させて頂きましたが、治定句のようでどうでしょうか。「芳町」しか残りませんが、こんな直しいやだという時は遠慮無く仰って下さい。前句の仮装舞踏会に出没する「賤の男の艶」はバロン・薩摩に通じる人物で、芳町で磨きをかけていたんですね。

別案の「道」の同字は10句も離れていますので、問題ありません。同字は三句去れば再出可というのが連句の順当な式目です。詠まれていることで「ナウ」に相応しくないというものはありません(表には難しいですが)。問題は付味だけです。