■もうすこし・・
ナウ
プリペアド・ピアノに飾る吾亦紅 羅
羊のむれを森に吸いこみ 庵
青い鳥探し当てたる夢をみて 不映
○前句のファンタジーに、よくうつりあう付句だと思います。はい、いただき!と、とん/\と進められたらお互いハッピーなのですが、打越句というやっかいなところからの物言いがあります。「吾亦紅」の「紅」に「青い鳥」の「青」はどうなの? という指摘です。現代の連句でもこれをさわりと考える人は多いようです。ところが蕉門の連句を分析した原田曲斎の整理では「そんなこと芭蕉さん気にしてませんよ」となっています(今その本が手元になく正確に引用できずすみません)。「気にしてないよ」というのは当時も気にしている人が多かったということです。芭蕉連句の場合、そのような“さわり”が気にならないくらい連衆の熱い詩心の奔流を呼び出しているということがあるのだと思います。