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#45936 返信

雀羅

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百韻「日月は」         2019.4.16 起首

日月は旅人なりぬ花に雪            雀羅 花・春
 雀の子らの集う軒先              古柏
春の朝川柳欄を食卓に             不映
 上司と似た名いつも見つける          芳
潮の香の導く先に海と空            村宅
 丸太くり抜き翌(あす)に漕ぎ出す      安庵
謫仙は飛鏡に杯を傾けて             あさ 月・秋
 萩散る庵に残る足跡              優

銀杏と君のしているイヤリング        五帳面
 皿洗いつゝ下の名で呼ぶ            さ
愛の巣に磯の匂いの満ちる朝           羅
 あの石巻に似たる青空            竜馬
転生を信じて崖に夏花(げばな)つみ       さ  三夏
  みそっ歯の児の笑顔満開          小石
外つ国の言語行き交う先斗町           宅
 脱出ゲーム知恵を出しあい           芳
包帯がしだいにほどけ大股に         ゆかり
  ニッカボッカのキタにはためく         さ
いっぷくに背ナを丸める暮の月           芳  月・冬
  足らぬ食材思うまなざし          うに
菓子工場跡地の草のかぐわしき          さ
 こちにかしらを上げる老犬           柏
二オ
公園に似顔絵画きの春火桶            庵
 明確にせぬ恋の行方は            宅
会いたいと思う気持ちがくやしくて        芳
 着信通知見てはため息             香
腰折れの気配は仮想通貨にも           羅
 タラップ降りる頬に秋風            に
カンナ咲く故郷へ向かふ定期船          映
  良夜を破るロックンロール           々
花道の先にかすんでいる希林          羅 
  新入生の列を見守り             芳

○「花道」は雑の正花でそれに「かすむ」(三春)ですから、「新入生」(仲春)を季戻りとしなくてもよいと思います。もっとも、こういう正花が許容されるかどうかは議論あってよいところと思います。「見守る」は打越が「ロックンロール 」ですので「見守り」としましょうか。付句にはそれぞれ宝が隠れていますので無造作に棄てない方がよいですよ。これは気がつく人だけ気付けばいいことですが、希林さんは左目が失明してましたね。かすんでいる目で新しくやってくる人たちにやさしい眼差しを向けている・・・と鑑賞すれば、一見薄味でも、なかなかいいですよね。

「カチンコ鳴りて春の暮れゆく あさ」、「ロックンロール」「希林」「カチンコ」と、芸能関係が3句がらみのようにも思えます。

「継がねばならぬお蚕の家 安庵」、これからの養蚕にどんな未来があるのか、「かすんで見える道」に繋がります。

「歩き遍路の杖の鈴の音 不映」、亡くなった希林さんに餞になる付けですね。

あささんの、ご質問、

※ 仮名遣いですが、連句では旧仮名・新仮名はどちらかに統一したほうがよいのでしょうか。「カンナ咲く故郷へ向かふ定期船」が旧仮名になっていましたので、また質問させて頂きました。

ここで一般論を述べるのは適当でないと思いますが、私自身はどういう態度かということを書かせて頂きますと、旧仮名・新仮名の仮名遣いを含め、俳諧の文体は基本的には自由な方向に進むものと思っています。一句が欲する文体を見つけてあげればよいと思います。短歌では仮名遣いの新旧混交は「ミックス文体」としてすでに定着しているように思いますが、連句ではそういう議論もまだこれからのように思えます。慣れの問題もありますが、10年もせずに俳諧のミックス文体は違和感もたれないようになると思います。ただ一座する時は、御連衆が自然と感じる仮名遣いでやることが大事だと思います。それと、連句コンテストに出品される時は、仮名遣いは統一しないといけないと考える選者が多いと思いますので、「ミックス文体」を実践しますと仮名遣いに無頓着もしくは仮名遣いの知識のない人ととられる可能性がありますので、お気をつけください。ここでは自由にさせて頂きます。

では春の長句をどうぞ。