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#45994
雀羅
ゲスト

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百韻「日月は」         2019.4.16 起首

日月は旅人なりぬ花に雪            雀羅 花・春
 雀の子らの集う軒先              古柏
春の朝川柳欄を食卓に             不映
 上司と似た名いつも見つける          芳
潮の香の導く先に海と空            村宅
 丸太くり抜き翌(あす)に漕ぎ出す      安庵
謫仙は飛鏡に杯を傾けて             あさ 月・秋
 萩散る庵に残る足跡              優

銀杏と君のしているイヤリング        五帳面
 皿洗いつゝ下の名で呼ぶ            さ
愛の巣に磯の匂いの満ちる朝           羅
 あの石巻に似たる青空            竜馬
転生を信じて崖に夏花(げばな)つみ       さ  三夏
  みそっ歯の児の笑顔満開          小石
外つ国の言語行き交う先斗町           宅
 脱出ゲーム知恵を出しあい           芳
包帯がしだいにほどけ大股に         ゆかり
  ニッカボッカのキタにはためく         さ
いっぷくに背ナを丸める暮の月           芳  月・冬
  足らぬ食材思うまなざし          うに
菓子工場跡地の草のかぐわしき          さ
 こちにかしらを上げる老犬           柏
二オ
公園に似顔絵画きの春火桶            庵
 明確にせぬ恋の行方は            宅
会いたいと思う気持ちがくやしくて       芳
 着信通知見てはため息            香
腰折れの気配は仮想通貨にも          羅 
 タラップ降りる頬に秋風            に
カンナ咲く故郷へ向かふ定期船          映
  良夜を破るロックンロール           々 月・秋
花道の先にかすんでいる希林          羅 花・春 
  新入生の列を見守り             芳
目借時竿竹売りのこえとおく           さ
あめのしづくのもぢとなりける        五
足元の大きな鼠おいはらい            芳
  遅しといひてアミダ振向く 庵
二ウ
かゞやける沖に傾きヨットの帆         さ

○あささん、「ヨット」と「丸太舟」はずいぶん違うものですし、「船」であっても「五句去」のものですので、触りは問題になりません。補陀落渡海を思わせる景色です。

「夏合宿ぞうきんがけを競う朝 芳」、「ぞうきんがけ」の競争の場面ですが、前句とはどう付くか、「アミダ」という名のコーチでもいるような感じです。「夏合宿/」と切ると首が堅くなりますので、平句(連句の付句をこう言います)は「合宿にぞうきんがけを競う夏」のような作り方するといいです。

「横泳ぎ身を清流に遊ばせて 不映」、泳ぎながら「振り向く」というのはこういう泳ぎ方なのでしょうね。冷たそうですね。打越の「足元」に「身」は肢体のくくりになりますので、こういうところも戻らないように、というポイントになります。

「結い髪に見返る君をつかまえて 五」、前句が「振り向く」で「見返る」とするとダブリがありますので、このところのトリミングするといいですね。五帳面さん、「あめのしづく」有り難うございます。

ではお次をどうぞ。夏でも雑(ぞう=無季)でも。