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#46289
雀羅
ゲスト

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百韻「日月は」         2019.4.16 起首

日月は旅人なりぬ花に雪            雀羅 花・春
 雀の子らの集う軒先              古柏
春の朝川柳欄を食卓に             不映
 上司と似た名いつも見つける          芳
潮の香の導く先に海と空            村宅
 丸太くり抜き翌(あす)に漕ぎ出す      安庵
謫仙は飛鏡に杯を傾けて             あさ 月・秋
 萩散る庵に残る足跡              優

銀杏と君のしているイヤリング        五帳面
 皿洗いつゝ下の名で呼ぶ            さ
愛の巣に磯の匂いの満ちる朝           羅
 あの石巻に似たる青空            竜馬
転生を信じて崖に夏花(げばな)つみ       さ  三夏
  みそっ歯の児の笑顔満開          小石
外つ国の言語行き交う先斗町           宅
 脱出ゲーム知恵を出しあい           芳
包帯がしだいにほどけ大股に         ゆかり
  ニッカボッカのキタにはためく         さ
いっぷくに背ナを丸める暮の月           芳  月・冬
  足らぬ食材思うまなざし          うに
菓子工場跡地の草のかぐわしき          さ
 こちにかしらを上げる老犬           柏
二オ
公園に似顔絵画きの春火桶            庵
 明確にせぬ恋の行方は            宅
会いたいと思う気持ちがくやしくて       芳
 着信通知見てはため息            香
腰折れの気配は仮想通貨にも          羅 
 タラップ降りる頬に秋風           に
カンナ咲く故郷へ向かふ定期船         映
  良夜を破るロックンロール           々 月・秋
花道の先にかすんでいる希林          羅 花・春 
  新入生の列を見守り            芳
目借時竿竹売りのこえとおく          さ
  あめのしづくのもぢとなりける        五
足元の大きな鼠おいはらい            芳
  遅しといひてアミダ振向く 庵
二ウ
かゞやける沖に傾きヨットの帆         さ
  生れし浦磯出でぬわれから           に
君とゆく観月橋に蝉の声             五 月・秋
 転びたる妹(いも)負うて花野へ        庵
すさまじき指ロザリオの珠を繰り        さ
 足に履かせる古いそろばん          芳
駆け出して丘を走って未来へと         五
 カスタネットがいやだった頃         雀
受付のPepperくんが指す夕立         さ
 俺は塩顔うん多分そう            五
旧友と記念撮影桜島          海老まよねーず
  よくろんぼとか示現流とか          羅
飛行する頭の下に春の雷            芳
 ビニールハウス種蒔きを終え       原つぱ
三オ
乳清に立てるさゞなみ夏近し          さ
 コンソメスープ音をたてずに         芳
肉球と混凝土(コンクリート)の生乾き     ぱ
  監視カメラに残る映像            芳
出所して差入れの襟巻き巻きぬ         さ
  まなび直しの夜間中学            羅 
理科室の人体模型くたびれる          庵
 フラスココーヒーおとす冬の日        に
雪焼の目元のしわの白々と            さ
 国旗掲げてウイニングラン         芳
晴れやかに十二単の裾持ちて          庵
  瓶のぞきてふ色に親しき          香

○香さんの原句は「はためく布は瓶のぞき色」でしたが、打越に「国旗」がありますので「はためく布」は戻りますので治定句のようでどうでしょうか。「瓶のぞき」というのははなだ色を薄くしたいい感じの色ですね。

「迫力のバチ津軽三味線 芳」、直された「牛に引せばころげずにすみ」は仰るように打越から「歩行躰」を感じさせますね。「津軽三味線」とだけで時に激しく叩き増すので、「迫力の」はちょっとかぶる感じもします。

「樋箱さし入れ侍女の春愁 あさ」、元句の触りは微妙ですが、たしかに気にはなりますね。「侍女」の振り付けよくなったと思います。ここで春にしてしまうというのも悪くはないと思います。「樋箱」は「おまる」のことですね。いとやんごとなきおほん方のしものものを納める箱、と言えますか。「樋洗=ひすまし」という言葉があって、貴人の便器の清掃を担当する役目の女性で、『源氏物語』の「玉蔓」にあるというので探してみました(こんなのに時間とられます(^^) 「壺装束して、樋すましめる者、古き下衆女、二人ばかりぞある。」とあります。与謝野晶子訳では「樋すましめる者、古き下衆女」は飛ばしてあります。「侍女の春愁」、面白いと思います。芭蕉さんも連句の付句でうんちの句はいっぱい詠みました。弟子達もそれを真似しました。これまた匂い付けの一体也とか言って笑い合ったことでしょうね。

ではどうぞ。月です。