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#46818
雀羅
ゲスト

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百韻「日月は」         2019.4.16 起首

日月は旅人なりぬ花に雪            雀羅 花・春
 雀の子らの集う軒先              古柏
春の朝川柳欄を食卓に             不映
 上司と似た名いつも見つける          芳
潮の香の導く先に海と空            村宅
 丸太くり抜き翌(あす)に漕ぎ出す      安庵
謫仙は飛鏡に杯を傾けて             あさ 月・秋
 萩散る庵に残る足跡              優

銀杏と君のしているイヤリング        五帳面
 皿洗いつゝ下の名で呼ぶ            さ
愛の巣に磯の匂いの満ちる朝           羅
 あの石巻に似たる青空            竜馬
転生を信じて崖に夏花(げばな)つみ       さ  三夏
  みそっ歯の児の笑顔満開          小石
外つ国の言語行き交う先斗町           宅
 脱出ゲーム知恵を出しあい           芳
包帯がしだいにほどけ大股に         ゆかり
  ニッカボッカのキタにはためく         さ
いっぷくに背ナを丸める暮の月           芳  月・冬
  足らぬ食材思うまなざし          うに
菓子工場跡地の草のかぐわしき          さ
 こちにかしらを上げる老犬           柏
二オ
公園に似顔絵画きの春火桶            庵
 揺れるぶらんこ恋の行方は          宅
会いたいと思う気持ちがくやしくて       芳
 着信通知見てはため息            香
腰折れの気配は仮想通貨にも          羅 
 タラップ降りる頬に秋風           に
カンナ咲く故郷へ向かふ定期船         映
  良夜を破るロックンロール           々 月・秋
花道の先にかすんでいる希林          羅 花・春 
  新入生の列を見守り            芳
目借時竿竹売りのこえとおく          さ
  あめのしづくのもぢとなりける        五
足元の大きな鼠おいはらい            芳
  遅しといひてアミダ振向く 庵
二ウ
かゞやける沖に傾きヨットの帆         さ
  生れし浦磯出でぬわれから           に
君とゆく観月橋に蝉の声             五 月・秋
 転びたる妹(いも)負うて花野へ        庵
すさまじき指ロザリオの珠を繰り        さ
 足に履かせる古いそろばん          芳
駆け出して丘を走って未来へと         五
 カスタネットがいやだった頃         雀
受付のPepperくんが指す夕立         さ
 俺は塩顔うん多分そう            五
旧友と記念撮影桜島          海老まよねーず
  よくろんぼとか示現流とか          羅
飛行する頭の下に春の雷            芳
 ビニールハウス種蒔きを終え       原つぱ
三オ
乳清に立てるさゞなみ夏近し          さ
 コンソメスープ音をたてずに         芳
肉球と混凝土(コンクリート)の生乾き     ぱ
  監視カメラに残る映像            芳
出所して差入れの襟巻き巻きぬ         さ
  まなび直しの夜間中学            羅 
理科室の人体模型くたびれる          庵
 フラスココーヒーおとす冬の日        に
雪焼の目元のしわの白々と            さ
 国旗掲げてウイニングラン         芳
晴れやかに十二単の裾持ちて          庵
 瓶のぞきてふ色に親しき          香
喧騒を離れて在りし堀の月          宅 月・秋
 帰燕の糞に水輪ひろごる          さ
三ウ
UFOの飛来を受ける稲の波           芳
 母の形見の糠床を分け           宅
しゃんしゃんと鈴つけ馬に揺られゆく       庵
 下戸と上戸を足して二で割る         羅 
テンポ良いボケつっこみに大笑い        芳
  グリコの看板いつも夏シャツ       麦子
内股に彫りし名まえがぷるぷるで       庵
 身請けの金をやっと手にして        芳
熊手掻き恋の落ち葉を集めては        五
 色のおちつく木守の月           羅 月・冬
綻びのカーディガンからでる嚏        石
 もぎりの仕事スカラ座に得る        に
はなびらの貼りつく傘のしづく切り      同 花・春
  蛙の付箋厚いゲラにも           さ
ナオ
娘との約束をした野遊びに          芳
 唐揚げマヨのおむすびが好き        香
知命てふ文字書いてゐるひきこもり      羅
 猫ぬくぬくと眠る傍ら           宅
薄明に芭蕉の巻葉とけそめて         さ
 バイクの音の近付いて来る         に
起きよとて地団駄踏んでいる兎        五
 フラメンコならちょっと自信が       に
常連の客が投げこむ赤い薔薇          庵
 見えぬ絆に惑うほうたる          石 
ひとたびは燃えた記憶のある嫦娥       羅 月・秋
  朝露に文たたみ直して           に
裏木戸に籠いっぱいの茸やら         芳
 故なく笑いその内に泣き            庵
ナウ
同じ歳重ねた友が生む子ども         優
三段ベットペンキ塗り替え         芳
聞き慣れぬ言葉飛び交うドミトリー      優
 糖衣で包む征露丸なり           羅
私儀絶対氷菓主義者にて           り
  退職願い出してスキップ          芳

○「絶対氷菓主義者」というしゃきっとしたところから、「退職願い」の勢いも出てくるのですね。「スキップ」の軽さが救いです。最近は自分で退職願いを出せず(緊張に耐えられず)、これを代行してくれる会社まであるそうです。どんなにみっともないことになっても、自分で立ってないと、次も大変です。でもこの主人公は、ぜんぜんヘイキって感じですね。

花の句、どうぞ。思い切ってお出し下さい。挙句は執筆名でわたし付けますので、皆様方はこの花の句でお仕舞いです。