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歌仙「紙舟に」 2019.6.1 起首 【5時~6時治定】
紙舟に風待月の潮路かな 雀羅
橋の彼方にはまなすの島 桃太郎
ふる里の夢を青磁に染め付けて 芳
薪棚を薪いっぱいにする うに
○窯に高温を生む赤松の薪でしょうね。原句「薪棚に薪いっぱいにする」ですが、「薪棚を」あるいは「薪棚の」では。一見逆付け(その前の場面・原因)のように見えますが、前句人物が陶芸家であることを示しています。
「返礼品はこのしろの魚 安庵」、芭蕉「冬の日」にも「箕に鮗の魚をいたゞき 杜國」とこの魚が出て来ます。出世魚ですが出世しないほうが重宝ですね。鮓のコハダ、そして一番小さいシンコ、絶品です。
「着信音の賑やかに鳴り 芳」、生活感のある、動の要素を出したいという気持ちを感じ取れる付けです。
「にじり口より蹲の音」「 作品展に並ぶ力作」「 酢の香のしるき調理場に立つ 桃太郎」、いずれも前句「染め付けの青磁」の活躍の場をイメージした付けです。この時期、自作青磁の水指を使った茶席、いいですね。
では月の句をどうぞ。