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#47271
雀羅
ゲスト

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歌仙「紙舟に」      2019.6.1 起首    【5時~6時治定】

紙舟に風待月の潮路かな          雀羅
 橋の彼方にはまなすの島         桃太郎
ふる里の夢を青磁に染め付けて       芳
 薪棚を薪いっぱいにする         うに
女子寮の語らひさやに十三夜        しをん  月・秋
 藻に住む虫の立てる聞き耳        優

この時と韋駄天走り茸番          芳
  穴あき銭を鳴らす親分          千百
寅年に猫を預けるめいわくさ        羅
 星占いで相性を決め            桃
献血が趣味だと笑う人といる        ゆかり
 ポイントカードで財布ぱんぱん       に
ぴかぴかのビリケンさんに頬ずりす      庵
  大綿虫のとんでくる頃          小石
月の道もどれば牡丹鍋が待ち         桃  月・冬
  杜氏の嫁の好きな舟唄           庵

○出稼ぎに行っていた杜氏の夫が帰ってきて、ご機嫌のお嫁さんは「舟唄」などくちずさんでいます。だんなさんが留守の間に覚えた歌ですね。「鉄砲背負って嫁いできたさ」、この人はマタギの娘、ということでしょうかね。「牡丹鍋」に「鉄砲」は近いか。

花前の句の作法というのは古来色々言われていますが、芭蕉も重宝したという『俳諧無言抄』には花前に秋を出さない、恋を出さないということが書いてあります。花のお株を奪う恋があっては花の句を出しにくかろうからという心配りからです。又花前に高い木を出さないとも言われます。これも花を詠むのにむずかしいからというわけです。ただこれは一般論であって、そんなこと意に介さないという人が相手の場合は、こんなことにあまり神経使いすぎても連句付合いのスリルは希薄になります。元禄七年「柳小折(やなぎこり)」の巻で、「黒みてたかき樫の木の森 素牛』という前句に、芭蕉は「月花に小さき門ンを出ツ入ツ」という花の句で応えています。去来が「こんな花前の句では花の付けるのはむずかしいと思いますが」と花の句を乞うたところ難なくやってのけて、「さすが芭蕉先生!」というわけです。心敬の「花の付けよからんとするなかれ。又、わざと付にくからんとする事なかれ」(『心敬法印庭訓』)、これ一つ覚えておけばいいですね。

「残る寒さをしばし楽しみ」「癒える兆しの見える春風邪 芳」、「残る寒さ」は前句[牡丹鍋」(三冬)から春に季移りしましたが、違和感ないです。季移りもこうやって使うといいですね。「春風邪」句、これも季移りですが、「薬食い」という言葉が浮かびます。食欲が戻ってきたんですね。

「発句にある同字」のことですが、「挙句は発句同字を避ける」あるいは「表に同字をせぬこと」ということは古来作法として言われていますが、裏になっての再出は問題はありません。お尋ねは、「発句同字は一巻全てに渡って避ける」という考え方とも出合っておられるからと思いますが、式目の中心である句数去嫌の規定にそれはないわけですけれど、連句作者や連句グループの中では、発句は格別のものだからという考え方からこうした美意識を貫かれるということもあります。その時はその美意識を共有しあうということが連衆心だと思います。同時に、「発句同字は一巻全てに渡って避ける」という特別な作法を一般に受け入れて貰う場合、「我が家の法は」という出方をするのではなく、その精神を丁寧に伝えることが大事ではないかと思います。こんなところでよろしいでしょうか。

では花の句をどうぞ。花前に恋があってもなんなくこなされることでしょう(^^)

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