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#47801
雀羅
ゲスト

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歌仙「紙舟に」      2019.6.1 起首    【5時~6時治定】

紙舟に風待月の潮路かな          雀羅
 橋の彼方にはまなすの島         桃太郎
ふる里の夢を青磁に染め付けて       芳
 薪棚を薪いっぱいにする         うに
女子寮の語らひさやに十三夜        しをん  月・秋
 藻に住む虫の立てる聞き耳        優

この時と韋駄天走り茸番          芳
  穴あき銭を鳴らす親分          千百
寅年に猫を預けるめいわくさ        羅
 星占いで相性を決め            桃
献血が趣味だと笑う人といる        ゆかり
 ポイントカードで財布ぱんぱん       に
ぴかぴかのビリケンさんに頬ずりす      庵
  大綿虫のとんでくる頃          小石
月の道もどれば紅葉鍋が待ち         桃  月・冬
  杜氏の嫁の好きな舟唄           庵
凪いでなほ丹波の里に花降らせ        に 花・春
  はるの憂いに染まる極楽         百
ナオ
重箱に草餅を詰め野点傘           に
 若芝の庭午後の日矢受け          を
高校のビブリオバトル接戦に          芳
 親子喧嘩の出来る家族も         閑坐
泣かせてよ目薬入れただけだから 桃
 剃り跡青きゲイに朝蜘蛛          羅
ふたりにも聞こえ始めた隙間風        坐
 君のテーブルぼくの本棚          に
翌朝はコパカバーナへひとっ飛び         庵
 覇王樹の傷癒す波音            桃
乞はれつつ月物語る千一夜          田助 月・秋
  色なき風はため息に似て          桃
ナウ

○原句の「ため息にのり」はちょっと言い過ぎな感じもします。治定句くらいでどうでしょうか。打越が「覇王樹の傷癒す」と強い憂愁を帯びていますからマイナー気分の再現は避けたいところですが、このあたりまでならセーフかな、と思います。その点「リュートの秋思いかに伝えん」の「秋思」はライン踏んでますね。

「パティオにルルル邯鄲の声 しをん」、「波音」~「邯鄲の声」、この辺もチェック入っていいところです。

「露をふるわす検校の琵琶  庵」、琵琶法師の演目は「平家物語」がメインのようですが、「千夜一夜月物語」も演ずることがあるのかどうか・・・といった疑問も湧きます。現代なら何でもありかも知れません。

「睫毛の露をそっと拭いて」「睫毛の露に触れる唇 芳」、露は気象現象ですが、このように詠まれると「涙」の意になります。すごく繊細です。ただやはり打越の傷心の気分から離れ切れてないように思います。

では秋の長句でどうぞ。