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#47856
雀羅
ゲスト

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歌仙「紙舟に」      2019.6.1 起首    【5時~6時治定】

紙舟に風待月の潮路かな          雀羅
 橋の彼方にはまなすの島         桃太郎
ふる里の夢を青磁に染め付けて       芳
 薪棚を薪いっぱいにする         うに
女子寮の語らひさやに十三夜        しをん  月・秋
 藻に住む虫の立てる聞き耳        優

この時と韋駄天走り茸番          芳
  穴あき銭を鳴らす親分          千百
寅年に猫を預けるめいわくさ        羅
 星占いで相性を決め            桃
献血が趣味だと笑う人といる        ゆかり
 ポイントカードで財布ぱんぱん       に
ぴかぴかのビリケンさんに頬ずりす      庵
  大綿虫のとんでくる頃          小石
月の道もどれば紅葉鍋が待ち         桃  月・冬
  杜氏の嫁の好きな舟唄           庵
凪いでなほ丹波の里に花降らせ        に 花・春
  はるの憂いに染まる極楽         百
ナオ
重箱に草餅を詰め野点傘           に
 若芝の庭午後の日矢受け          を
高校のビブリオバトル接戦に          芳
 親子喧嘩の出来る家族も         閑坐
泣かせてよ目薬入れただけだから 桃
 剃り跡青きゲイに朝蜘蛛          羅
ふたりにも聞こえ始めた隙間風        坐
 君のテーブルぼくの本棚          に
翌朝はコパカバーナへひとっ飛び         庵
 覇王樹の傷癒す波音            桃
乞はれつつ月物語る千一夜          田助 月・秋
  色なき風はため息に似て          桃
ナウ
特Aじゃなくても美味い今年米          芳
二点居住の姉たちの秋           を

○しをんさんの原句は「二点居住の避難者に秋」でした。「二点居住」という言葉はネットを見ていますと、福島原発事故以来避難者が「避難先」と「避難元」に引き裂かれた生活を続けていることを指しているようです。福島県会津若松のこしひかりは我が家でも愛用の米でした。米が戻ってくる、人々にも元の生活が戻ってくる、そんな願いも籠められた付句になっていると思います。「避難者」という言葉を使わず、このあたりの微妙な意味合いを伝えられれば、日本の米のめしのように連句になります。

「バングラデシュから嫁御迎へる うに」、日本の農家に嫁いでくるバングラデシュの女性ということで、日本の農村の現状を捉えた一コマです。ただ、「金髪美女がやって来る村」とやってもいいわけで(俗調ですが)、なんで「バングラデシュ」なのか、という批評眼も要りますね。連句は先入観(きれいに言えば本情)をベースにおくけれど、先入観によりかかってはいけない、とも思います。

「歳を経るごと格差社会に 閑坐」、七七の呼吸が決まってきましたね。前句にいいテンポで響きます。

ではお次をどうぞ。雑です。