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満尾☆★歌仙「紙舟に」★☆
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歌仙「紙舟に」
紙舟に風待月の潮路かな 雀羅
橋の彼方にはまなすの島 桃太郎
ふる里の夢を青磁に染め付けて 芳
薪棚を薪いっぱいにする うに
女子寮の語らひさやに十三夜 しをん
藻に住む虫の立てる聞き耳 優
ウ
この時と韋駄天走り茸番 芳
穴あき銭を鳴らす親分 千百
寅年に猫を預けるめいわくさ 羅
星占いで相性を決め 桃
献血が趣味だと笑う人といる ゆかり
ポイントカードで財布ぱんぱん に
ぴかぴかのビリケンさんに頬ずりす 庵
大綿虫のとんでくる頃 小石
月の道もどれば紅葉鍋が待ち 桃
杜氏の嫁の好きな舟唄 庵
凪いでなほ丹波の里に花降らせ に
はるの憂いに染まる極楽 百
ナオ
重箱に草餅を詰め野点傘 に
若芝の庭午後の日矢受け を
高校のビブリオバトル接戦に 芳
親子喧嘩の出来る家族も 閑坐
泣かせてよ目薬入れただけだから 桃
剃り跡青きゲイに朝蜘蛛 羅
ふたりにも聞こえ始めた隙間風 坐
君のテーブルぼくの本棚 に
翌朝はコパカバーナへひとっ飛び 庵
覇王樹の傷癒す波音 桃
乞はれつつ月物語る千一夜 田助
色なき風はため息に似て 桃
ナウ
特Aじゃなくても美味いことし米 芳
二点居住の姉たちの秋 を
米朝の十八番は百年目 坐
背中に鍼を打たれながらの に
いくたびももろ手に受ける花ふぶき 芳
山も笑ふか黒ぢょかのつや 執筆
2019.6.1 起首
2019.7.8 満尾
○「黒ぢょか」は薩摩焼の酒気で焼酎の燗をする時に使います。「黒千代香」とも書きます。燗酒というと歳時記では冬の季語ですが、鹿児島の焼酎文化では夏でも燗をした焼酎を飲みます。先日司馬遼太郎の『故郷忘じがたく候』のモデルになった14代沈寿官さんが亡くなりましたが、豪放でおおらか、それでいて繊細な方だったようにお見受けしました。私たちの連句もそんな風でありたいと思いました。
インターネット連句担当の山中たけをさんにはいつも伴走していただき心強いことでした。実は、捌き舵取りをさせて頂いている本欄でのネット連句も百韻を含めもう10巻くらいになったのではと思いますし、そろそろ新しい捌きが出て来るのもいいのではないかとのご相談、希望を申しました。率直なお返事の中で、ネット連句をふくめ、態勢がもう少し調うまではお手伝いをするということのようですので、新しい方も連句を始めておられますし、私ももう少しお手伝いをし、楽しませていただきたく思います。私の個人的な連句サイトではありませんので、かなり抑えてはいるつもりでも相当に私のクセの出ている進行になっているかと思います。又「ここはこうでは」という一直ではかなり踏み込みますので抵抗を覚える方もおられると思います。ネット連句の可能性、ありようを考える材料を提供しているという思いもあります。式目など、気になっていること等、この場はそうしたことのたしかめの場にして頂きたいと思います。満尾した作品のことをむし返すのも勿論結構です。
しばらくしましたら新しい航海に出ます。又その時はどうぞよろしくお願いします。(ら拝)