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#49464
雀羅
ゲスト

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米字「風鈴を」           2019.7.13 起首

風鈴を見てゐる猫の夕かな           桃太郎
 ほたるぶくろに灯(トモシ)入る頃         雀羅
咳払影絵の舞台整ひて              うに
 空気読まない派手な着信            芳
九時五時をしっかり守り窓際に          笑女
 八枚切りのパンは売り切れ            に
なで肩の影をふみふみ小望月           安庵 月・秋
 へちまを下げる宗匠の路地             桃

さわやかにキャッチボールの捕球音         芳
 牛若丸は甲子園かも             しをん
恩師への弔辞を諳んじてをりぬ            閑坐
 花に雪ふる昼の邂逅               羅 花・春
佐保姫はお菓子のように化粧して           桃
 髪をバッサリ切って卒業              坐
半刻をいけない人と蛍舟               女
 夏の霜にはゆため息が溶け             庵 月・夏
ペン先のインク固まる文机              芳
 金運上げる風水に凝り               桃
あの頃も今も聞く耳もたぬ父             女
 石垣崩すガジュマルの木は            上里
二オ
床の間に人形をおく初景色              羅
 膳のさびしき雨の正月              庵
おとづれはメトロノームの鳴りてより         に
 目覚めた猫の手足のびやか            小石
くたびれた営業マンのいるベンチ          芳
 今は昔の孟母三遷                を
針金の家を出てゆく鴉の仔             羅
  夕べの虹をひとは見届け             に
端とはじ耳にあてれば水の音             庵
 湖畔と犬と若き女性と              坐
明日からのシニア講座に上り月           を 月・秋
 ホームの底にすだくがちゃがちゃ         坐
二ウ
露寒の故郷に住む人のこと              桃
縁談十組纏めると言う               を
痛い目にあえば分かるさ本気度が           女
 白村江からずっとこのかた            羅
穫れすぎた茄子の料理を四品ほど           に
 走り書きには昼寝起こすな            芳
馬肥えてお仙ころがる秋を待つ            庵
 風ニモマケズ凛と磯菊               芳
銀鉤のめぐり来るとき熱を出す            に 月・秋
 イザナミ追えば逃げるイザナギ           女
おぞましき姿を花にかえ給え              庵 花・春
 鏡の中も抱卵期なり                羅
三オ
猫の子を窺っている恋がたき             坐
 少し言葉の多すぎた夜                桃
完璧なアリバイが生む不信感              芳
 お約束ならここでカツ丼              桃
勝負する前に勝負がついてをり            芳
 朝がくるのか夜になるのか             石
流眄(ナガシメ)のブルーボーイに秋扇          庵
 懐紙の上に石榴弾ける               羅
上り来て夕月淡き東慶寺               を

○女の人の中に激しく弾けるもの(実ざくろ)から、東慶寺に跳んで、ためのあるうまい付句です。「東慶寺」は縁切り寺とも言われますが、古川柳では地名から「松ガ丘」と言えばこのことを意味します。妻が離縁を望んでも夫が許さない場合は、ここで足かけ三年有髪の尼となって暮らせば、離縁状をとることが出来ました(『江戸川柳辞典』)。この知識がないと、「六郷を静かに越える三年目」は読めないですが、離縁状をとって安心して江戸に帰っていく様です。とは言っても、江戸から松が丘までは十三里もあり、とても簡単には駆け込めません。「ついそこのようにかけ出す松ケ丘」なんて調子で出てしまうと、「うんのなさやき餅坂で追っかれ」(保土ヶ谷と戸塚の間)となります。付句の女性は、ずいぶん穏やかになってますね。

ではどうぞ。雑でも結構です。