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#50046
雀羅
ゲスト

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米字「風鈴を」           2019.7.13 起首

風鈴を見てゐる猫の夕かな           桃太郎
 ほたるぶくろに灯(トモシ)入る頃         雀羅
咳払影絵の舞台整ひて              うに
 空気読まない派手な着信            芳
九時五時をしっかり守り窓際に          笑女
 八枚切りのパンは売り切れ            に
なで肩の影をふみふみ小望月           安庵 月・秋
 へちまを下げる宗匠の路地             桃

さわやかにキャッチボールの捕球音         芳
 牛若丸は甲子園かも             しをん
恩師への弔辞を諳んじてをりぬ            閑坐
 花に雪ふる昼の邂逅               羅 花・春
佐保姫はお菓子のように化粧して           桃
 髪をバッサリ切って卒業              坐
半刻をいけない人と蛍舟               女
 夏の霜にはゆため息が溶け             庵 月・夏
ペン先のインク固まる文机              芳
 金運上げる風水に凝り               桃
あの頃も今も聞く耳もたぬ父             女
 石垣崩すガジュマルの木は            上里
二オ
床の間に人形をおく初景色              羅
 膳のさびしき雨の正月              庵
おとづれはメトロノームの鳴りてより         に
 目覚めた猫の手足のびやか            小石
くたびれた営業マンのいるベンチ          芳
 今は昔の孟母三遷                を
針金の家を出てゆく鴉の仔             羅
  夕べの虹をひとは見届け             に
端とはじ耳にあてれば水の音             庵
 湖畔と犬と若き女性と              坐
明日からのシニア講座に上り月           を 月・秋
 ホームの底にすだくがちゃがちゃ         坐
二ウ
露寒の故郷に住む人のこと              桃
 縁談十組纏めると言う               を
痛い目にあえば分かるさ本気度が           女
 白村江からずっとこのかた            羅
穫れすぎた茄子の料理を四品ほど           に
 走り書きには昼寝起こすな            芳
馬肥えてお仙ころがる秋を待つ            庵
 風ニモマケズ凛と磯菊               芳
銀鉤のめぐり来るとき熱を出す            に 月・秋
 イザナミ追えば逃げるイザナギ           女
おぞましき姿を花にかえ給え              庵 花・春
 鏡の中も抱卵期なり                羅
三オ
猫の子を窺っている恋がたき             坐
 少し言葉の多すぎた夜                桃
完璧なアリバイが生む不信感              芳
 お約束ならここでカツ丼              桃
勝負する前に勝負がついてをり            芳
 朝がくるのか夜になるのか             石
流眄(ナガシメ)のブルーボーイに秋扇          庵
 懐紙の上に石榴弾ける               羅
上り来て夕月淡き東慶寺               を 月・秋
 寄せては返す人の世の波              桃 
船上で万歩計見る几帳面               に
 ポジティブ思考裏目裏目に              女 
三ウ
神集ひしてゐる庭の頼み事             坐
 風邪声に効く甜茶(テンチャ)のど飴          桃
母と娘が同窓になる芸大に             羅
  恋の舞台に度胸試され             坐
男気のラップバトルを見せつける           芳
 紙より軽い約束があり              桃
後出しのチョキ出す人の舌真っ赤           女
 百葉箱はぺんき塗りたて              石
空蝉は月の光の中に絶え               桃  月・夏 
  逍遙趣味と履歴書にかく              庵
何も持たず何も奪わず花あかり           に 花・春
  盃を追ふ人の曲水                坐
ナオ
囀りに逃がした鳥の声まじる              羅
 また戻り橋鬼の仕業か               女
番号を呼ばれて順に渡る川               庵
  忍者修行のツアー満員               芳
此処彼処地域おこしに励む長             里
  ジルバ踊れる相手いないか             桃
触れてみる金のピアスが冷たくて            を
  月を抱きし冬眠の蛇                庵 月・冬
不夜城の弁財天に朝を待つ              坐
  パワースポット手話の賑やか             桃
ナウ
健脚の学芸員を追っかける               芳
  背負子の中身危険いっぱい             女

○「背負子」には籠の付いたものもありますから「中身」と言ってもいいですね。いったいどんな「危険」が入っているのでしょう。この「学芸員」、何者? 「咀嚼狂わす悪い歯並び」、これは当たり前ですね。別案、「背負子のキノコ危険過ぎると」と秋にしてしまうと、月を詠まないといけませんが、名残裏では月は詠みません。というより、「危険」が「キノコ」でネタバレし、句が薄味になってしまいましたね。

「ハシビロコウはお辞儀ゆっくり  桃」、とぼけた取り合わせがよく、上乗の遣句です。「 宅配便で届く球根」、追っかけたり、宅配便が来たり、あっちこっちです。「シックスパックに憧れる日々」、トレーニングで腹筋が六つに割れる、そんな状態に憧れている人ですね。前句の学芸員さんそんな腹筋持ってそうです。

「刀剣女子が歴史を学ぶ 閑坐」、「刀剣女子」と言っただけでも歴史のからみはありますので(出入りに使うつもりではないでしょうから)、「歴史を学ぶ」とすると繰り返しになります。「刀剣女子に真行の礼」「刀剣女子の学ぶすり足」、なんてどうでしょうね。

「若草山は春の鹿どち  しをん」、前句にはいい映りですね。ここから春にしていくのも問題ないです(ナウは8句ありますが)。ただ、名残の裏ではありますが、まだ帰り支度せず、もう一ヤマあってよいかな、という気もします。勿論予めの絵柄があるわけではなく、連句はすべて出たとこ勝負です。

ではどうぞ。