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#50075
雀羅
ゲスト

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米字「風鈴を」           2019.7.13 起首

風鈴を見てゐる猫の夕かな           桃太郎
 ほたるぶくろに灯(トモシ)入る頃         雀羅
咳払影絵の舞台整ひて              うに
 空気読まない派手な着信            芳
九時五時をしっかり守り窓際に          笑女
 八枚切りのパンは売り切れ            に
なで肩の影をふみふみ小望月           安庵 月・秋
 へちまを下げる宗匠の路地             桃

さわやかにキャッチボールの捕球音         芳
 牛若丸は甲子園かも             しをん
恩師への弔辞を諳んじてをりぬ            閑坐
 花に雪ふる昼の邂逅               羅 花・春
佐保姫はお菓子のように化粧して           桃
 髪をバッサリ切って卒業              坐
半刻をいけない人と蛍舟               女
 夏の霜にはゆため息が溶け             庵 月・夏
ペン先のインク固まる文机              芳
 金運上げる風水に凝り               桃
あの頃も今も聞く耳もたぬ父             女
 石垣崩すガジュマルの木は            上里
二オ
床の間に人形をおく初景色              羅
 膳のさびしき雨の正月              庵
おとづれはメトロノームの鳴りてより         に
 目覚めた猫の手足のびやか            小石
くたびれた営業マンのいるベンチ          芳
 今は昔の孟母三遷                を
針金の家を出てゆく鴉の仔             羅
  夕べの虹をひとは見届け             に
端とはじ耳にあてれば水の音             庵
 湖畔と犬と若き女性と              坐
明日からのシニア講座に上り月           を 月・秋
 ホームの底にすだくがちゃがちゃ         坐
二ウ
露寒の故郷に住む人のこと              桃
 縁談十組纏めると言う               を
痛い目にあえば分かるさ本気度が           女
 白村江からずっとこのかた            羅
穫れすぎた茄子の料理を四品ほど           に
 走り書きには昼寝起こすな            芳
馬肥えてお仙ころがる秋を待つ            庵
 風ニモマケズ凛と磯菊               芳
銀鉤のめぐり来るとき熱を出す            に 月・秋
 イザナミ追えば逃げるイザナギ           女
おぞましき姿を花にかえ給え              庵 花・春
 鏡の中も抱卵期なり                羅
三オ
猫の子を窺っている恋がたき             坐
 少し言葉の多すぎた夜                桃
完璧なアリバイが生む不信感              芳
 お約束ならここでカツ丼              桃
勝負する前に勝負がついてをり            芳
 朝がくるのか夜になるのか             石
流眄(ナガシメ)のブルーボーイに秋扇          庵
 懐紙の上に石榴弾ける               羅
上り来て夕月淡き東慶寺               を 月・秋
 寄せては返す人の世の波              桃 
船上で万歩計見る几帳面               に
 ポジティブ思考裏目裏目に              女 
三ウ
神集ひしてゐる庭の頼み事             坐
 風邪声に効く甜茶(テンチャ)のど飴          桃
母と娘が同窓になる芸大に             羅
  恋の舞台に度胸試され             坐
男気のラップバトルを見せつける           芳
 紙より軽い約束があり              桃
後出しのチョキ出す人の舌真っ赤           女
 百葉箱はぺんき塗りたて              石
空蝉は月の光の中に絶え               桃  月・夏 
  逍遙趣味と履歴書にかく              庵
何も持たず何も奪わず花あかり           に 花・春
  盃を追ふ人の曲水                坐
ナオ
囀りに逃がした鳥の声まじる              羅
 また戻り橋鬼の仕業か               女
番号を呼ばれて順に渡る川               庵
  忍者修行のツアー満員               芳
此処彼処地域おこしに励む長             里
  ジルバ踊れる相手いないか             桃
触れてみる金のピアスが冷たくて            を
  月を抱きし冬眠の蛇                庵 月・冬
不夜城の弁財天に朝を待つ              坐
  パワースポット手話の賑やか             桃
健脚の学芸員を追っかける               芳
  背負子の中身危険いっぱい            女
ナウ
何事か雀の騒ぐ朝の縁                  桃

○いいですね。「危険」の中身に足を救われず、不安を暗示するだけですかしました。「朝」の字近くにありますが、
「同字三句去」で問題ないです。「つまづいてきいちのぬり絵パラパラと」、「きいちのぬり絵パラパラと」、古いですが、面白い。「つまづく」は打越の「追っかける」の歩行体にややからむか。「 小藤次が研ぎを引き受け帰る道」、佐伯泰英の『酔いどれ小籐次留書』は「御鑓(おやり)拝借」で竹中直人の役でテレビで観ました。なるほど、「小藤次」のハラの中は剣呑です。これも歩行体に目配りするところか。

「駅なかのコインロッカー鍵無くし 芳」、「コインロッカー」は結構得体の知れないもの入って居ることあるようです。その点、「背負子の危険な中身」と似たことの繰り返しになってしまうようで、連句は停滞せず前に進むことが大事ですね。

「こともあろうに方向音痴のテロリスト うに」、「方向音痴のテロリスト」、くすっとするフレーズです。テロリストも背負子使うようですからね。危険とのんきの狭間はテロリストのネライ目で、言葉のばくだんを日夜持ち運びしている俳諧者も、この孤独な人種に似た匂いを発しているかも知れませんね。

ではどうぞ。