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#50147
雀羅
ゲスト

■満尾☆★米字「風鈴を」★☆
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米字「風鈴を」           

風鈴を見てゐる猫の夕かな           桃太郎
 ほたるぶくろに灯(トモシ)入る頃         雀羅
咳払影絵の舞台整ひて              うに
 空気読まない派手な着信            芳
九時五時をしっかり守り窓際に          笑女
 八枚切りのパンは売り切れ            に
なで肩の影をふみふみ小望月           安庵 
 へちまを下げる宗匠の路地             桃

さわやかにキャッチボールの捕球音         芳
 牛若丸は甲子園かも             しをん
恩師への弔辞を諳んじてをりぬ           閑坐
 花に雪ふる昼の邂逅               羅
佐保姫はお菓子のように化粧して           桃
 髪をバッサリ切って卒業             坐
半刻をいけない人と蛍舟               女
 夏の霜にはため息が溶け              庵
ペン先のインク固まる文机              芳
 金運上げる風水に凝り              桃
あの頃も今も聞く耳もたぬ父             女
 石垣崩すガジュマルの木は           上里
二オ
床の間に人形をおく初景色              羅
 膳のさびしき雨の正月              庵
おとづれはメトロノームの鳴りてより         に
 目覚めた猫の手足のびやか            小石
くたびれた営業マンのいるベンチ          芳
今は昔の孟母三遷                を
針金の家を出てゆく鴉の仔             羅
夕べの虹をひとは見届け              に
端とはじ耳にあてれば水の音             庵
湖畔と犬と若き女性と              坐
明日からのシニア講座に上り月           を 
 ホームの底にすだくがちゃがちゃ         坐
二ウ
露寒の故郷に住む人のこと              桃
縁談十組纏めると言う               を
痛い目にあえば分かるさ本気度が           女
白村江からずっとこのかた            羅
穫れすぎた茄子の料理を四品ほど           に
 走り書きには昼寝起こすな            芳
馬肥えてお仙ころがる秋を待つ            庵
 風ニモマケズ凛と磯菊               芳
銀鉤のめぐり来るとき熱を出す           に
 イザナミ追えば逃げるイザナギ          女
おぞましき姿を花にかえ給え            庵
 鏡の中も抱卵期なり               羅
三オ
猫の子を窺っている恋がたき            坐
 少し言葉の多すぎた夜               桃
完璧なアリバイが生む不信感             芳
 お約束ならここでカツ丼             桃
勝負する前に勝負がついてをり           芳
 朝がくるのか夜になるのか             石
流眄(ナガシメ)のブルーボーイに秋扇         庵
 懐紙の上に石榴弾ける              羅
上り来て夕月淡き東慶寺               を
 寄せては返す人の世の波              桃 
船上で万歩計見る几帳面               に
 ポジティブ思考裏目裏目に             女 
三ウ
神集ひしてゐる庭の頼み事             坐
 風邪声に効く甜茶(テンチャ)のど飴          桃
母と娘が同窓になる芸大に             羅
 恋の舞台に度胸試され              坐
男気のラップバトルを見せつける           芳
 紙より軽い約束があり              桃
後出しのチョキ出す人の舌真っ赤           女
 百葉箱はぺんき塗りたて              石
空蝉は月の光の中に絶え               桃 
逍遙趣味と履歴書にかく              庵
何も持たず何も奪わず花あかり           に
 盃を追ふ人の曲水                坐
ナオ
囀りに逃がした鳥の声まじる             羅
 また戻り橋鬼の仕業か              女
番号を呼ばれて順に渡る川              庵
忍者修行のツアー満員              芳
此処彼処地域おこしに励む長            里
 ジルバ踊れる相手いないか             桃
触れてみる金のピアスが冷たくて           を
 月を抱きし冬眠の蛇                庵
不夜城の弁財天に朝を待つ             坐
パワースポット手話の賑やか            桃
健脚の学芸員を追っかける             芳
 背負子の中身危険いっぱい            女
ナウ
何事か雀の騒ぐ朝の縁                桃
翁と姥に竹酔の日は               を
ドラえもん宇宙ロケット貸しとくれ        遥夢
 ドヤの暮らしもあすはみそかに          羅 
おおいなる海老が見つかる浅草寺          を
 宅配便を待って永き日              芳
ふはふはの花かつをならちよっとやる      に
 色紙に添える腰折の讃             執筆

          令和元年七月十三日 起首
          令和元年九月五日  満尾

○米字「風鈴」の巻めでたく満尾致しました。付句を下さった方々、ご覧になって下さった方々、そして裏方として支えて下さった、ホームページの前担当の松澤龍一さん、その後を受け継がれた山中たけをさん、有り難うございました。百韻、米字を含めて、10巻以上の連句付合いをさせて頂きましたが、やりとりを通して、ご一緒にいろいろ大事なことの確かめをさせて頂きました。付句治定に当たっては、相当に恣意的、気分本位な進め方ではなかったかと思いますが、ストレスを覚えられた方もおありだったのではと思いますが、いたらなかったところはおゆるし下さい。一巻の表記につきましては、
文語、口語、仮名遣いも歴史的仮名遣い、現代仮名遣いが混在しています。俳諧の文体として、統一した表記をすることも勿論嗜好の一つですが、ミックス文体は俳諧の取材を拡げ、表現の多様性を呼び込み、何より「新しい付味」を発見して行く上で、表記の自由度は大事な要素だと思っています。連句のドグマにとらわれず、常にまっさらな気持ちで(私自身常に躓いていますが)、色々な試みをしていければと願っています。

この一巻の特徴は、猫が3匹隠れているところ(虎は昔から1回)、匂いの花を使いにくい「花かつを」で締めたというところでしょうか。「かつを」が飛び込んで来て、幸運でした。

この後は、梅村光明さんのお捌きで、新形式の斬新な連句体験が出来ると思いますので、どうぞご期待下さい。有り難うございました。(雀羅 拝)

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