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ホーム フォーラム インターネット連句 Vol.1 インターネット連句を始めます。 返信先: インターネット連句を始めます。

#50203
梅村光明
ゲスト

 今日は二十四節気の「白露」、季語では「霧が凝って白くなる意」をもっており、季としては仲秋に入りました。限が良いところでのスタートということで、本日を設定しました。
*最初の形式は【賜餐】を取り上げます。
 この「賜餐」(しさん)は札幌で活躍された連句人故窪田薫氏の創案による形式。3句4連、1花1月、四季順行を取り入れたもので、12句ながら懐紙式の四面で構成されています。窪田氏はこれ以外にも、【蜉蝣】形式と【獅子】形式の創案者でもあります。
 さらに窪田氏は独自のルールとして「一語一会」(同字巻去り)を提唱されました。つまり月と花字以外は一巻中に同字を出さないという修辞法です。この同字一巻去りは、別所眞紀氏によると松山市の故鈴木春山洞氏も提唱されていたとのこと。
 これは連句の要諦である「付けと転じ」のうち特に転じること、つまり「変化」していくことが常に求められており、これこそが、まさに芭蕉の言葉である「歌仙は三十六歩也。一歩もあとに帰る心なし。」に通底する重要な理念であり、これを実践することが連句を楽しむための近道であるという点に、私の師である鈴木漠が共感しローカル・ルールとして定着させ、これを私も踏襲しています。
 もうひとつ、窪田氏が説いた「転じの理念」を実践する方法論として、「韻字留め(漢字留め)打越しの忌避」があります。観音開きが嫌われるのは付句の主題や情景が打越句に後戻りすることで、連句では強く忌避されてきました。これを措辞にまで広げて韻字(漢字)での留めも打越さないようにしたものです。つまり、発句・脇句で描かれた世界から転じるために第三句では「て、に、にて、らん、もなし」など仮名留めが求められます。そこに付ける四句目は、第三句で転じた流れをさらに四句目で転じ切るようにとされています。これは四句目で韻字留めなど重たい措辞の句を付けて、発句・脇句の世界へ後戻りしては第三で転ずる意味や効果が失われてしまうというのが鈴木漠の考えでもあり、この修辞法は第三や四句目に限らず連句のあらゆる場面にも当てはめるべきだと常に述べています。
 今回、私が捌きをさせていただくにあたり、あくまでもローカル・ルールである「一語一会」と「韻字留め(漢字留め)打越しの忌避」を守って行こうと想います。それ以外の文体や仮名遣いについては雀羅氏が実践されていた文語・口語・新旧仮名の混淆を私も取り入れてみますが、巻を進めて行く中で、歴史的仮名遣いにするなど個別的に縛りを掛けることもあるかと思います。それでは発句です。脇句は仲秋で月の句をお詠み下さい。脇句の治定は10日の22時を予定します。

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     少年探偵団(賜餐)

   野分だつ僕ら少年探偵団      光明(秋)
                      (月)
                      (秋)

ウ                     (恋)