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#50429
光明
ゲスト

9月24日
お待たせしました。
古来より花の句の位置づけとして使われるのが、連歌撰集『菟玖波集』の撰者二条良基の言葉「花の句は最も大事の物なり、百韻になほ一句を得難し」。これが『十七季』では「花の句は月の句と共に一巻の飾りであり、特に珍重された」と記されています。要は、花の句は「とても大切な句」ということです。これを先に書けばプレッシャーになったかも知れませんね。
さて今回のナオ二には6句が寄せられました。その中から、遥夢さんの「人びと酔わす花の旨酒」を採らせていただきます。そのためには一か所修正が必要と考え、「人びと酔わす花と旨酒」とさせていただきます。原句では「花の旨酒」とあり、これが意味するところが分かりにくく、強いて言えば「人びとを酔わす旨酒」となるかと思います。これを「花と旨酒」とすることで両者が「人びとを酔わす」んだということが明確になりますね。
次はナオ三、春の長句です。投句締め切りは26日の20時とさせていただきます。

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少年探偵団(賜餐)   2019.9.8起首

   野分だつ僕ら少年探偵団          光明(秋)
    月に透かせば顕れし地図         夕汐(月)
   鳥渡る一村十戸寄り添うて        しをん(秋)

ウ   赤いカバンが助手席に乗る        安庵(恋)
   逢瀬の日サンタさんより齎され      メロン(冬恋)
    とろけそうだよ君の指圧に        麻子(恋)

ナオ 凍解けて石仏少し傾きぬ          ゆき(春)
    人びと酔わす花と旨酒          遥夢(花)
                          (春)

ナウ                        (雑)
                          (夏)
                          (夏)

みなさんの付句
大原女の荷に花の安らう         安庵 (花)
 *前句の景色にとても合い、句の姿も美しいですね。歌仙のウ十一に出たのなら採りたくなる佳句です。

シニアクラスの窓に花散る       しをん(花)
 *この句では「シニアクラスの窓」がポイントになります。そこに「花散る」があり、両者を秤に掛けると「窓」に傾くと思います。花を賞美するウエイトが軽いということですね。句意は「シニア」に「花散る」を掛けているのでしょうね。

人びと酔わす花の旨酒          遥夢(花)
 *この句をいただきます。

役者の見得にそそぐ花片         ゆき(花)
 *助詞が説明的過ぎ。「役者大見得そそぐ花片」とすれば景が大きく浮かびあがると思います。

補聴器うれし花の降る音          芳(花)
 *花の降る音を補聴器で聴くという、花の句としては変化球で三振を取れますね。普通は気付かないポイントから繊細な感性で花を詠まれました。

花の隠沼ゆらぐ譚月           今日(花)
 *この句の問題点は「花の隠沼」と「譚月」です。「花の隠沼」は意味が通らないように思います。花に形容された隠沼の語意が、「草木などにかくれて見えない沼」であるのに、花の働きをどこに読み取るのかが不明です。また「譚月」についても語意は「深く水をたたえた淵に映る月」とあり、「隠沼」の語意と矛盾を生じるからです。