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[光明]

　蜻蛉「京舞」の巻
３月１２日
皆様、お待たせしました。
最後の自由律に八句集まりました。冬恋ということで、どんな冬の季語を斡旋するか、そして恋をどう表わすか、工夫の為所です。そんな八句の中から今日さんの「氷柱で断つてやる赤い糸」を、妄想的ながらも強烈な決意を表明する「赤い糸つららで断つてやる」と修正して採りました。「氷」字既出。
名残表一句目、五七五で韻律のある冬の句をお詠み下さい。
「月」字以外、既に出た文字は使えませんのでご注意ください。一語一会です。
締切りは３月１４日の２０時とします。

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　　　　　蜻蛉「京舞」の巻　　 　2020. 2.15起首
表
１　　京舞の腰落としてや臥龍梅　　　　　　　　安庵（春）
２　　　小石ひとつで割れる薄氷　　　　　　　　光明（春）
３　　つばくらめ空水平に滑り来て　　　　　　　紋次（春）
４　　　三角定規あたらしく買ふ　　　　　　　　小石（雑）
裏
１　　君がゐて僕ゐて貴女ゐて縺れ　　　　　　メロン（恋）
２　　　ただ会ふために探す口実　　　　　　　　秋草（恋）
３　　感染（うつ）されしことも嬉しき夏の風邪　安庵（夏恋）
４　　　孫目ざとくも虹を指さし　　　　　　　　遥夢（夏）
中
１　　オズの魔法使ひだつた過去もあり　　　　　光明（雑）自由律
２　　　うぬぼれ鏡しか見てゐない　　　　　　　秋草（雑）　〃
３　　銭湯の脱衣所に忘れ団扇が　　　　　　　炬燵猫（秋）　〃
４　　　猛烈な勢力の台風　　　　　　　　　　　夕汐（秋）　〃
５　　月の兎は飛び出して宇宙旅　　　　　　　しをん（月）　〃
６　　　パティシエに成りたい夢がある　　　　　　芳（雑）　〃
７　　追ひかけたら優男逃げて行つた　　　　　　ゆき（恋）　〃
８　　　赤い糸つららで断つてやる　　　　　　　今日（冬恋）〃
名残表
１　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（冬）
２　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（雑）
３　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（新年月）
４　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（新年）
名残裏
１　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（雑）
２　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（春）
３　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（花）
４　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（春）
　
皆様の付句
霜焼の耳たぶを噛んでよ　　　　　　　　秋草（冬恋）〃
＊優男も逃げ出す強い女の性癖の一端が浮かび上がりました。

氷柱で断つてやる赤い糸　　　　　　　　今日（冬恋）〃
＊この句をいただきますが、「赤い糸つららで断つてやる」と決意を強調しました。

煮る河豚ちり涙の一滴　　　　　　　　　紋次（冬恋）〃
＊「河豚ちり」は当然鍋料理なので「煮る」は不要ですね。「嗚呼河豚ちり涙の一滴」でどうでしょう。

あれは凩の夜の口づけ　　　　　　　　　遥夢（冬恋）〃
＊遥かな夢の一夜ですね。物語の発端。

狩人のキスは情熱的　　　　　　　　　　　芳（冬恋）〃
＊ああそうなんだ、と納得させるものがありますね。

暖炉が尽きるとも放さない　　　　　　しをん（冬恋）〃
＊「暖炉が燃え尽きても放さず」でしょうか。

榾火映すふたりの秘め事　　　　　　　炬燵猫（冬恋）〃
＊「ふたりの秘め事まるで榾火」と、榾火そのものに。

雪女に焦がれ山へ消え　　　　　　　　　ゆき（冬恋）〃
＊誰が焦がれたのか分かりにくいので、「雪女に憑かれ山に消え」とすれば。