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蜻蛉「京舞」の巻
3月24日
皆様、お待たせしました。
世情が時時刻々と変化しております。どうぞご自愛ください。
さて、名残裏二句目に七句お寄せいただきました。その中から、平城京に暮すと思われる鹿を詠まれた炬燵猫さんの「孕鹿たち坊にまどろむ」を採りましたが、軽い擬人化である「孕鹿たち」を引き戻し、「孕鹿群れ坊にまどろむ」と修正させていただきました。
それでは、続いて最初で最後の花の句をお詠み下さい。
締切りは3月26日の20時とします。
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蜻蛉「京舞」の巻 2020. 2.15起首
表
1 京舞の腰落としてや臥龍梅 安庵(春)
2 小石ひとつで割れる薄氷 光明(春)
3 つばくらめ空水平に滑り来て 紋次(春)
4 三角定規あたらしく買ふ 小石(雑)
裏
1 君がゐて僕ゐて貴女ゐて縺れ メロン(恋)
2 ただ会ふために探す口実 秋草(恋)
3 感染(うつ)されしことも嬉しき夏の風邪 安庵(夏恋)
4 孫目ざとくも虹を指さし 遥夢(夏)
中
1 オズの魔法使ひだつた過去もあり 光明(雑)自由律
2 うぬぼれ鏡しか見てゐない 秋草(雑) 〃
3 銭湯の脱衣所に忘れ団扇が 炬燵猫(秋) 〃
4 猛烈な勢力の台風 夕汐(秋) 〃
5 月の兎は飛び出して宇宙旅 しをん(月) 〃
6 パティシエに成りたい夢がある 芳(雑) 〃
7 追ひかけたら優男逃げて行つた ゆき(恋) 〃
8 赤い糸つららで断つてやる 今日(冬恋)〃
名残表
1 クリオネの体透けたるクリスマス 日和(冬)
2 波音を聞く果ての居酒屋 夕汐(雑)
3 機始月の光を縦に張り 秋草(新年月)
4 勅題菓子に偲ぶいにしへ 秋草(新年)
名残裏
1 見えぬ敵コロセウムには客もなく 遥夢(雑)
2 孕鹿群れ坊にまどろむ 炬燵猫(春)
3 (花)
4 (春)
皆様の付句
亀の看経そぞろ聞こえて 秋草(春)
*前句にピッタリとうまく付いています。ある意味付き過ぎの趣きを感じるのは、死闘を課せられた闘技場への、「看経」というあしらいの所為でしょうか。
母の摘草指染まるまで 遥夢(春)
*「指」字が既出なので「母の摘草爪染まるまで」としましょう。
陽炎追ひて幼(おさな)らの声 しをん(春)
*「陽炎追うて幼らの声」、この句も付きますね。「見えぬ敵」に「陽炎」が対になって表現を強めますね。
パティオはさんで春ショール振る 安庵(春)
*「ショール振る」ことにどんな意味を読みとらせましょう。日本には古来より「領巾振る」という言葉があります。辞書によると「女性が人を招いたり別れを惜しんだりするようす」とされています。
大阪場所の寂し軍配 今日(春)
*前句が「闘技場」で付句が「大相撲」では格闘技繋がりになってしまいますね。
揺れるふらここ仲直りして 紋次(春)
*恋句っぽいかな。視点がブレている所為か中途半端な感じがします。
孕鹿たち坊にまどろむ 炬燵猫(春)
*「孕鹿群れ坊にまどろむ」としてこの句をいただきます。