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蜻蛉「京舞」の巻
3月26日
皆様、お待たせしました。
この巻唯一の花の座です。六句お詠みいただきました。その中から人情と花の景のバランスがほどよい、しをんさんの「晩学の胸躍らせて花の門」を選びましたが、「花の門」だと「宿坊」と「コロセウム」の構造物の三句続きになってしまうので、「晩学の胸躍らせて花の席」に修正して採りました。
次はとうとう挙句になりました。春の短句をお詠み下さい。
締切りは3月28日の20時とします。
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蜻蛉「京舞」の巻 2020. 2.15起首
表
1 京舞の腰落としてや臥龍梅 安庵(春)
2 小石ひとつで割れる薄氷 光明(春)
3 つばくらめ空水平に滑り来て 紋次(春)
4 三角定規あたらしく買ふ 小石(雑)
裏
1 君がゐて僕ゐて貴女ゐて縺れ メロン(恋)
2 ただ会ふために探す口実 秋草(恋)
3 感染されしことも嬉しき夏の風邪 安庵(夏恋)
4 孫目ざとくも虹を指さし 遥夢(夏)
中
1 オズの魔法使ひだつた過去もあり 光明(雑)自由律
2 うぬぼれ鏡しか見てゐない 秋草(雑) 〃
3 銭湯の脱衣所に忘れ団扇が 炬燵猫(秋) 〃
4 猛烈な勢力の台風 夕汐(秋) 〃
5 月の兎は飛び出して宇宙旅 しをん(月) 〃
6 パティシエに成りたい夢がある 芳(雑) 〃
7 追ひかけたら優男逃げて行つた ゆき(恋) 〃
8 赤い糸つららで断つてやる 今日(冬恋)〃
名残表
1 クリオネの体透けたるクリスマス 日和(冬)
2 波音を聞く果ての居酒屋 夕汐(雑)
3 機始月の光を縦に張り 秋草(新年月)
4 勅題菓子に偲ぶいにしへ 秋草(新年)
名残裏
1 見えぬ敵コロセウムには客もなく 遥夢(雑)
2 孕鹿群れ坊にまどろむ 炬燵猫(春)
3 晩学の胸躍らせて花の席 しをん(花)
4 (春)
皆様の付句
花吹雪うすべに色の渦描き 芳(花)
*脇句の「薄氷」と「うすべに」が「薄い」という意味での差合いですね。
花満ちて大地に響くシンフォニー 炬燵猫(花)
*中七・下五の表現がやや流れているように思われます。満開の花と結びつくシンフォニーの響きの軽さを感じます。
下駄の歯の擦れてお戻り花疲れ 今日 (花)
*マイナスイメージの「歯の擦れて」と「疲れ」が、花の句の花を賞美・珍重するという働きを削いでいますね。花の座や花の句の、一巻に占める意味合いをもう一度見直していただけたらと思います。
誰彼の面影浮かべ花吹雪 遥夢(花)
*二句前の「見えぬ敵」と「客もなく」に、「面影浮かべ」が返るように思われます。
ふる里は昔のままに花大樹 秋草(花)
*ナオ四に「いにしへ」が出ているので、「昔」は使えませんね。「ふる里は変はることなく花大樹」でしょうか。
晩学の胸躍らせて花の門 しをん(花)
*この句を「晩学の胸躍らせて花の席」として採りました。
荒ぶるを広袖にだく鎮花祭 安庵(花)
*「鎮花祭」は疫病を取り鎮める祭礼行事ということで、まさにコロナ退散に適う季語になります。その意味から「鎮花祭」は正花扱いはされていませんね。