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インターネット連句
ソネット形式を取り入れた連句を巻かれたことがある方は居ると思いますが、
それは単にソネットの句数14句を並べただけのものではないでしょうか。
本来のソネットは、イタリア語のsonare(響鳴する)に由来する脚韻定型詩であることから、すでに音数律定型の様式を確立している連句に押韻が加われば、「ゾネットの名に相応しい詩の様式である脚韻定型詩」が自ずと出来すると考えた、わが師である鈴木漠がソネット押韻俳諧の実作を進め、多くの作品を世に送り出して来ました。それは、詩の構成要素として「言語の意味」と「音数としての律」、さらに「音色としての韻」が揃う事により、詩が成立するという考えが基本にあります。
さて、ソネット連句には抱擁韻・平坦韻・交叉韻という三つの押韻形式があります。その三種類すべてを巻く予定ですが、最初に抱擁韻に挑戦していただきます。ある意味連句に一番ふさわしい押韻の形式と言えます。そのことは追々説明する機会があると思いますので、今は控えて置きます。
抱擁韻はabba/cddc/eff/eggが一般的な押韻形式になっています。つまり、発句がa韻、脇句がb韻、三句目めもb韻、四句目がa韻という脚韻を一連目で踏み進めます。残りの連も同じように順次cdefgと脚韻を踏む事になります。
下記の通り、発句を決めさせていただきました。脇句は私が付けましたので、三句目を皆様がお付け下さい。雑の長句で、脚韻は脇句と同じ「ずむ」です。仮名遣いは前回と同じく歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。
それでは、三句目の締め切りを30日の20時とします。揮ってご投句ください。
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ソネット「仁王門」(抱擁韻) 2020.04.28起首
1 葉桜や夕陽溶けゆく仁王門 炬燵猫(夏)a
2 サングラス取り漢(をとこ)佇む 光明(夏)b
3 (雑)b
4 (雑)a
5 (月)c
6 (秋)d
7 (秋)d
8 (恋)c
9 (冬恋)e
10 (冬)f
11 (雑)f
12 (春)e
13 (花)g
14 (春)g
皆様の発句
海風や光る甍の夏来る 遥夢(夏)
通信使行く葉柳の道 光明(夏)
*この句も迷いましたが、すこし大人しくなりすぎたかもしれませんね。
夏きざす娘の笑ひめく水辺 安庵(夏)
カーネーションのブーケ渡され 光明(夏)
*あっけらかんとした景色にアクセントを添えてみました。
柿若葉風を集めて遊びけり 秋草(夏)
気の向くままに淹れる走り茶 光明(夏)
*すごく淡泊な感じの発句をお茶に混ぜて含んでみました。
結葉やゆりかご包む面紗哉 円水(夏)
眼裏に来る梅雨の前触れ 光明(夏)
*「結葉や」と「面紗哉」、切れ字ふたつは好ましくないとされますね。
泰然と伊予富士の裾麦の秋 日和(夏)
愛鳥週間謳ふ横幕 光明(夏)
*「伊予富士」は石鎚連峰に属した一峰で、それを遠くに配した裾野の景にしました。。
ボンタンの蕾ほどけて夏は来ぬ ゆき(夏)
衣更へにと釦購ふ 光明(夏)
*ボンタン(文旦)の季語としての働きが気になりました。蕾の扱いは難しいですね。「文旦」に「釦」を重ねました。
青葉潮大漁旗が帰港せり 葉っぱ(夏)
遠近法で浮かぶ夏富士 光明(夏)
*大漁の鰹船でしょうか。絵になるような発句脇。
山並をカンバスとなす新樹かな メロン(夏)
五月幟に揃ふ原色 光明(夏)
*色に色を添えてみました。
葉桜や夕陽溶けゆく仁王門 炬燵猫(夏)
サングラス取り漢佇む 光明(夏)
*この句を発句とさせていただきます。
芍薬や空中停止家雀 今日(夏)
石の舗道に氷菓売る声 光明(夏)
*空中静止をするのは「家雀」ではなく「蜂雀」(ハチドリ)ですね。