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#54125
光明
ゲスト

インターネット連句
ソネット「仁王門」(抱擁韻)
5月14日
 お待たせしました。10句目は冬の短句で、9句が付けられました。その中から安庵さんの「閉じ籠もるのも飽きた寒鯉」を採りました。昨今の自粛生活へのイロニーを籠めた句に俳諧味を感じました。
 さて、11句目は雑の長句で、脚韻は「ごひ」になります。混同の恐れがあるのは「ごい」と「ごゐ」です。ここの「鯉」はあくまでも「ごひ」ですからお間違いなく。
 仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は一語一会です。
 それでは、11句目の締切りを16日の20時とします。揮ってご投句ください。

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   ソネット「仁王門」(抱擁韻)   2020.04.28起首

1  葉桜や夕陽溶けゆく仁王門      炬燵猫(夏)a
2   サングラス取り漢佇む        光明(夏)b
3  街角のカフェに読みさすアフォリズム  楽之(雑)b
4   金庫の宝二束三文          秋草(雑)a

5  満ち欠けを諾ひ巡る今日の月     メロン(月)c
6   夢見る朱鷺を起こさないやう     小石(秋)d
7  新酒利く審査員らの無言行       ゆき(秋)d
8   浮気責めてもニクい落着き      遥夢(恋)c

9  帰るなと抱き留めるかに雪しまく    夕汐(冬恋)e
10  閉じ籠もるのも飽きた寒鯉      安庵(冬)f
11                      (雑)f

12                      (春)e
13                      (花)g
14                      (春)g

皆様の付句
強く生ひたる石垣苺        今日(冬)f
*季語に植物を選ばれていますが、先を見通して頂けば三句目には花の座があります。植物は二句去りということで、間に二句挟めば去り嫌いは原則クリアされ、ここも問題なしとされるかもしれません。しかし、花をよりよく賞美するならば、植物をここで詠むことは躊躇すべきだと私は思います。

追儺の式に出店見飽きて      閑坐(冬)f
*「出店」よりも「追儺の式に鬼を見飽きて」でいかがでしょう。

マスク大きく眼力の増し      秋草(冬)f
*下句「眼力が増し」が、2句目の「サングラス取り」と差し合うと思います。

故郷遠く偲ぶ雑炊         遥夢(冬)f
*「雑炊」が「偲ぶ」ほどの思いに応えられているのか、情報不足では。

故郷の母咳に敏感          芳(冬)f
*色々な事情があっての敏感さだと思います。昔は結核は不治の病でしたから、そういう思いにも結びつくドラマがあるのでしょうね。

閉じ籠もるのも飽きた寒鯉     安庵(冬)f
*この句をいただきました。井伏鱒二の「山椒魚」との共通性を思いました。

埋火残る鉄瓶の下         ゆき(冬)f
*「残る」の表現がおかしい。「埋火のある鉄瓶の下」「鉄瓶の下見ゆる埋火」でしょうか。

冬はハワイと誘ふチラシ      楽之(冬)f
*下七が「いざなふチラシ」と四三なので、リズムが突っかかるのが気になります。

希望といふ字つなぐラグビー   メロン(冬)f
*去年の盛り上がりが思い出されます。特に釜石は震災復興に寄り添ったラグビーに、未来への希望を託しているのが伝わりました。