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インターネット連句
ソネット「顔彩の青」(平坦韻)
6月2日
皆様、おまたせしました。4句目は脚韻が「から」ということで、秋恋の句を10句付けていただきました。ありがとうございます。
その中から装いの句を詠んだ、ゆきさんの「新絹纏ふ君はハイカラ」を採りました。大正ロマン風の恋句で、良い響きが生まれました。
5句目は月の句ですが今回は条件があります。発句に「五月晴」と「月」字が使われましたので、続けて「月」字を用いる場合は間に5句挟まなければならないという、式目上の決りがあります。とうことで、間に3句しか挟めない時は月の異名を用います。例えば、和語では「弓張、有明、望の夜、十五夜、良夜」など、中国伝来語では「上弦、下弦、金鏡、桂男、金兎」があります。脚韻はc韻の初回なので自由です。
仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は一語一会です。
それでは、5句目の締切りを6月4日の20時とします。揮ってご投句ください。
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ソネット「顔彩の青」(平坦韻) 2020.05.28起首
1 顔彩の青買ひ足すや五月晴 芳(夏)a
2 四葩自慢の亭へ御招ばれ 光明(夏)a
3 きつかけは水琴窟の話題から 日和(恋)b
4 新絹纏ふ君はハイカラ ゆき(秋恋)b
5 (月)c
6 (秋)c
7 (雑)d
8 (冬)d
9 (冬)e
10 (恋)e
11 (恋)f
12 (春)f
13 (花)g
14 (春)g
皆様の付句
妻の小言よ芋はピリ辛 炬燵猫(秋恋)b
*妻の感情表現が食べ物の味付けに顕れるという発見。
祭の夜の恋の甘辛 遥夢(秋恋)b
*古来祭りは男女の結びつきの場、そこで生じる悲喜こもごも。
愛の巣で割る銀杏の殻 すみれ(秋恋)b
*光景が目に浮かびますが、植物の「銀杏」をここで出すと、2句前の「四葩」と植物の観音開きになってしまいますね。続くのはいいんですが、間に別の句を挟んで再び植物を出せば後戻りになり、進行を妨げると判断されるのです。
長き夜を酌む君とカラカラ しをん(秋恋)b
*言葉が尽せずもどかしさが残る句ですね。酒器であるからからを挟んで育まれる愛の関係でしょうか。
火焚鳥さへ持たぬ目力 小石(秋恋)b
*生類を用いた恋句は意欲的ですね。「鶲も持たぬ恋の目力」とすればどうでしょう。
新絹纏ふ君はハイカラ ゆき(秋恋)b
*この句をいただきました。
梶の葉に書く願ひ甘辛 秋草(秋恋)b
*この句も植物を恋の小道具にされています。「甘辛」には両方が好きという意味もありますね。
鈴虫と泣く夜半のこなから 安庵(秋恋)b
*この句もお酒を恋句の小道具にと工夫されました。虫の音も効果的ですが、どうも恋の破局のようですね。「鈴虫を聞くきみとこなから」とすれば恋が生まれます。
力士に惚れてお財布はカラ 芳(秋恋)b
*リアルさが伝わる句です。相撲が秋の季語なのは、神事である秋の節会として古くから宮中で天皇が観覧されたことからきています。それと力士のひいき筋のことを「谷町」といいますが、これは大阪の谷町筋の医者が相撲好きで、力士の怪我の治療を代金を取らずに行ったからだそうですね。恋の谷町も財力が物を言うということでしょうか。
長き夜の恋掛けたるバカラ 夕汐(秋恋)b
*トランプ賭博に恋を賭けるというドラマが読めます。季語の「長き夜」がマッチしてますね。