返信先: インターネット連句を始めます。
ホーム › フォーラム › インターネット連句 Vol.1 › インターネット連句を始めます。 › 返信先: インターネット連句を始めます。
インターネット連句
ソネット「顔彩の青」(平坦韻)
6月6日
皆様、おまたせしました。6句目は秋の短句で脚韻が二度目の「たび」ということで、12句が集まりました。脚韻の「たび」は使える語句はあまり多くなく、候補句も大きく分けて3種類になりました。「木天蓼」「度」「芥火」で、そのなかの「度」が「再び」と「たび」に使い分けられ8句もありました。「木天蓼」と「芥火」がそれぞれ2句詠まれるという結果になりました。
採ったのは安庵さんの「迎へし猫にみやげ木天蓼」です。「猫にまたたび」がうまく嵌まった句作りで、ここらで生類の出番かなという思いにも応えてくれました。それと「たび」音とは無関係の漢字表記によりベールを懸ける、そんな変化もいいかなと思いました。
次は7句目、雑の句をお詠みください。脚韻は最初のd韻なので自由です。
仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は一語一会です。
それでは、7句目の締切りを6月8日の20時とします。揮ってご投句ください。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ソネット「顔彩の青」(平坦韻) 2020.05.28起首
1 顔彩の青買ひ足すや五月晴 芳(夏)a
2 四葩自慢の亭へ御招ばれ 光明(夏)a
3 きつかけは水琴窟の話題から 日和(恋)b
4 新絹纏ふ君はハイカラ ゆき(秋恋)b
5 玉兎連れローカル線の気まま旅 すみれ(月)c
6 迎へし猫にみやげ木天蓼 安庵(秋)c
7 (雑)d
8 (冬)d
9 (冬)e
10 (恋)e
11 (恋)f
12 (春)f
13 (花)g
14 (春)g
皆様の付句
迎へし猫にみやげ木天蓼 安庵(秋)c
*この句をいただきました。
今年酒出す蔵へ度々 夕汐(秋)c
*呑み鉄、新作出るたびに見てます。ここらでお酒、すこし早いかな。
幻の古酒夢に再び すみれ(秋)c
*整っていますが、「幻」と「夢」が並ぶと句を弱めるように思います。
わたしの背へあきつふたたび しをん(秋)c
*「背ナ」は「背」でいいでしょう。「ふたたび」という時間経過の曖昧さへのひっかかりが残りますね。
木犀香る風の吹くたび 遥夢(秋)c
*「風の吹くたび香る木犀」という、整え方が浮かび出てくるんですよね。
秋の浜辺に煙る芥火 閑坐(秋)c
*「芥火」をうまく取り入れ、自然な句に仕立てています。
渡るかりがねこれで幾度 秋草(秋)c
*不易流行という言葉があります。「不易」は詩の基本である「かわらない永遠性」で、ここでは「渡るかりがね」ですね。その空を飛ぶ「ジェット機」は時々の新しいもので、これが「流行」。共に風雅の誠から出るものとされます。そして、「幾度」が永遠性を生じさせますね。
籾干す苫屋燻す芥火 今日(秋)c
*「籾干す」と「苫屋」と「燻す」と「芥火」が揃いましたが、どうも表現が立ち上がって来ませんね。ジョイントが上手くいっていない理由として、「籾干す」と「燻す」の動詞が二つある点でしょう。上句と下句が別々の句になっているのです。
おどけてみせる檸檬噛むたび 芳(秋)c
*高村光太郎の智恵子抄「レモン哀歌」を一瞬思いました。そこには無いものとしてです。この句、レモンの酸っぱさへの反応がうまく詠まれています。
秋遍路とふ夢を度度 メロン(秋)c
*「気まま旅」から「秋遍路」への「夢」を思いうかべる、少し近いかな。
初孫笑ふちちろ鳴くたび 炬燵猫(秋)c
*この句も整えれば「ちちろ鳴くたび笑ふ初孫」でしょうか。脚韻があろうが、よりよく整った形を求めたいですね。
猫と酔ひゆく猪口のまたたび 円水(秋)c
*円水さん、ご参加ありがとうございます。「またたび」があって句を整えようとした結果、句意が曖昧になりました。「吾に盃猫に木天蓼」とすれば意図は生きますね。