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#54688
光明
ゲスト

インターネット連句
ソネット「顔彩の青」(平坦韻)
6月10日
 皆様、おまたせしました。8句目は冬の短句で、脚韻は引き続き「さん」ということでしたが、12名の方が付けていただきました。
 その中から、昨今の新型コロナ禍を背景にした、世情の動きを詠んだ、遥夢さんの「マスク品薄励む増産」を採りました。ひと頃に比べてようやく近所のスーパーにも箱入りが並ぶようになりましたが、「アベノマスク」はまだ届いておりません。あと十日で夏至を迎えようとしているのにです。冬の季語のマスクが夏に届くズレ様が、なんとも言えないです。これからマスクは冬の季語では無くなるかも知れませんね。
 次は9句目、冬の句をお詠みください。脚韻は最初のe韻になります。
 仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は一語一会です。
 それでは、9句目の締切りを6月12日の20時とします。揮ってご投句ください。

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   ソネット「顔彩の青」(平坦韻)   2020.05.28起首

1  顔彩の青買ひ足すや五月晴        芳(夏)a
2   四葩自慢の亭へ御招ばれ       光明(夏)a
3  きつかけは水琴窟の話題から      日和(恋)b
4   新絹纏ふ君はハイカラ        ゆき(秋恋)b

5  玉兎連れローカル線の気まま旅    すみれ(月)c
6   迎へし猫にみやげ木天蓼       安庵(秋)c
7  時経ても笑ひの渦のサザエさん     今日(雑)d
8   マスク品薄励む増産         遥夢(冬)d

9                       (冬)e
10                      (恋)e
11                      (恋)f
12                      (春)f

13                      (花)g
14                      (春)g

皆様の付句
小さいあの児もう七五三      夕汐(冬)d
*原句は「まう七五三」ですが、歴史的仮名遣いを「まう」とする説もあるという程度なので、ここは「もう」でよいかと。「七五三」はいい押韻ですが残念ながら、「五」字は既出です。

眺め絵になる雪の富士山      閑坐(冬)d
*発句の背景には日本画があり、五月富士を描こうとしているのかも知れませんので、ここで「絵になる」は気になりますね。

終大師に願ひ沢山        すみれ(冬)d
*ここらで釈教句も必要かなとは思いましたが、なぜか磯野家が揃ってお参りしている光景が浮かんでしまいました。

冬河原には光燦々        しをん(冬)d
*淡々としすぎた「冬河原」に物足りなさを覚えてしまいました。サザエさんとの落差が大きすぎたのかもしれませんね。

蒸饅頭のあんこ沢山       炬燵猫(冬)d
*「あんこ」にしなくても、肉まんや豚饅もあります。「人気豚饅家族生産」とかいろいろ工夫できるかも。

マスク品薄励む増産        遥夢(冬)d
*この句をいただきます。

水炊き囲む家族晩餐        ゆき(冬)d
*「水炊き」は残念ながら季語には無いようです。同じものは季語では「ちり鍋」になります。「ちり鍋囲む家族晩餐」ですが、ここでは磯野家ならどのような鍋料理が似合うか、考えてみるのも面白いですね。

しぐれふる里つもる白山      円水(冬)d
*対句の形になっていて面白いです。日本三霊山のひとつなので、白山信仰を句から思いました。

付喪神住む屏風財産         芳(冬)d
*「付喪神」は百年を経過した器物が化けたものと言われる妖怪で、災いを招く恐れがあるようです。句としては面白いですね。

炬燵ほつこり憂さを消散     メロン(冬)d
*炬燵はある意味万能家具とも言えますね。家族を纏め、温め、寄る辺ともなるものですから。昔は囲炉裏が同じ働きをしていた、その名残でしょうか、効能は多いでしょうね。

つごもり蕎麦と噛みし甘酸     安庵(冬)d
*一年の締めくくり食べるお蕎麦、心に残る苦楽も一緒に呑み込もうという、大晦の光景が目に浮かびます。

日向ぼこする孫子沢山       秋草(冬)d
*「孫子」とは正直すぎましたね。「日向ぼこする漁船沢山」という手もあります。