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#54799
光明
ゲスト

インターネット連句
ソネット「顔彩の青」(平坦韻)
6月16日
 皆様、おまたせしました。11句目は恋の句で、8句案じていただきました。脚韻は最初のf韻なので縛りは無かったのですが、同じ脚韻でもう一句付くという配慮が、忘れられた句が多いように思いました。
 その中から、しをんさんの句である「今年こそ婚活サイト絞りこみ」の、下五を「今年こそ婚活サイト見極めん」と修正して採りました。「婚活サイト」という目に見える、具体的な形を句に取り入れた点を買いました。但し、脚韻の問題として、「絞り込み」の「こみ」だと他に使える語句が殆ど無いようなので、
あえて「見極めん」と、「めん」を脚韻にさせていただきました。
 12句目は春の短句です。脚韻はf韻の「めん」を詠み込んで下さい。
 仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は一語一会です。
 それでは、12句目の締切りを6月18日の20時とします。揮ってご投句ください。

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   ソネット「顔彩の青」(平坦韻)   2020.05.28起首

1  顔彩の青買ひ足すや五月晴        芳(夏)a
2   四葩自慢の亭へ御招ばれ       光明(夏)a
3  きつかけは水琴窟の話題から      日和(恋)b
4   新絹纏ふ君はハイカラ        ゆき(秋恋)b

5  玉兎連れローカル線の気まま旅    すみれ(月)c
6   迎へし猫にみやげ木天蓼       安庵(秋)c
7  時経ても笑ひの渦のサザエさん     今日(雑)d
8   マスク品薄励む増産         遥夢(冬)d

9  賑ひの社遠くに酉の市         夕汐(冬)e
10  成人なれど恋は未開地       メロン(恋)e
11 今年こそ婚活サイト見極めん     しをん(恋)f
12                      (春)f

13                      (花)g
14                      (春)g

皆様の付句
今年こそ婚活サイト絞りこみ     しをん(恋)f 
*この句を「今年こそ婚活サイト見極めん」に修正していただきました。

夫想ひ眠れぬ夜のやるせなく      遥夢(恋)f
*描き切ったストレートな恋句です。「やるせなく」をもう一捻りできればと思いました。

横恋慕されたと怒る曾ぢいぢ      安庵(恋)f
*老いてなお盛んな御様子が伝わります。脚韻「いぢ」が他に見当たりません。

あひみてののちの心はうはの空     ゆき(恋)f
*百人一首、藤原敦忠の「逢ひ見ての後の心にくらぶれば昔はものも思はざりけり」の、本歌取りを少し茶化した句ですね。この句も脚韻「そら」が、他に「曽良」しかないようです。

モテ期来て取り扱ひに困りはて      芳(恋)f
*「モテ期」は広辞苑に入っていないが、大辞泉には入っています。因みに意味は「異性から好意をもたれることが多くなる時期」とのこと。その「取扱ひ」は、面白い表現です。常に「取説」が必要なマニュアル人間を想像させます。

合コンに今日の運勢見て行こう    すみれ(恋)f
*心構えが定まるのでしょうね。運勢に書かれた言葉を想像させるまでの決定力が、この句には不足しているように思いました。その軽さがいいのかも知れませんが。

母指南恋の鞘当て負けないと      閑坐(恋)f
*かつて料亭の「囁き女将」が、不祥事を謝罪する息子に横から言葉の指南をすることがありました。思えば恋の指南もしていたのかも知れないなと、今になって気付きました。

待つ事も惚れたが負けと覚悟する    秋草(恋)f
*少し理屈が出てしまい、「惚れる」ことのストレート感が薄くなりました。