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インターネット連句
ソネット「花火船」(交叉韻)
7月20日
皆様、おまたせしました。12句目は春の短句に「だん」が脚韻ということで、10句お詠みいただきました。押韻が句の中でごく自然に嵌まるように成されているかどうかは、句を選ぶ際の大きなポイントになります。韻を含む言葉が突出しないように工夫された句は完成度も自ずと高くなると思います。
さて2回目の「だん」になりますが、どうしても漢字留めの句になってしまうようで、その中から炬燵猫さんの「目刺を狙ふ猫の密談」を採りました。滑稽さや諷刺を含んだ俳諧味のある実感を伴う短句です。
次の13句目は春の句です。脚韻はe韻の「どり」になります。元々花の座に成り得る場所ですが、発句に夏の正花が出ましたので、ここは「桜」字を使うか、別の春の植物の花として「桃・山吹・椿・藤」などを詠まれた句を案じていただけたらと思います。
前回同様、歌仙式の縛りは無く仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は一語一会です。但し一句内なら可。
それでは、13句目の締切りを7月22日の20時とします。揮ってご投句ください。残り2句となりました。
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ソネット「花火船」(交叉韻) 2020.06.29起首
1 花火船屋号半分消えかかり 安庵(夏花)a
2 蕩児いまだに波乗に暮れ 光明(夏)b
3 力学の基礎を学んだ発条秤 マリンバ(雑)a
4 米搗き飛蝗早よ捕つとくれ 今日(秋)b
5 名月に草の戸そつと訪ね来て 秋草(月)c
6 思ひの丈を競ふコスモス 小石(秋恋)d
7 恋敵抜駆け無しといふ掟 メロン(恋)c
8 甘く切ない古日記燃す 芳(冬恋)d
9 今生は夢のつづきか浮寝鳥 しをん(冬)e
10 破魔矢の鈴がはねる石段 安庵(新年)f
11 縄のれん帰宅途中の雨宿り すみれ(雑)e
12 目刺を狙ふ猫の密談 炬燵猫(春)f
13 (春)e
14 (春)f
皆様の付句
三毛の子猫をもらふ相談 すみれ(春)f
*「縄のれん」での相談、何事かと思えば猫の子を貰う話だったと、落ちが付き前句にも付きますね。
春風邪癒えてはずむ雑談 秋草(春)f
*今となれば「春風邪」がなんとも軽い病のように思われます。心情も表わした「はずむ雑談」がいいですね。
カーニバルへと群れる集団 マリンバ(春)f
*これは参加者の一団でしょうね。リオのカーニバルが目に浮かびます。「群れる」が工夫の余地あり。「カーニバルへと逸る集団」とすれば心も騒ぎますね。
小川さらさら里は春暖 遥夢(春)f
*「縄のれん」からは遠く離れた爽やかで清純そのものへの転じ、やや強引な感じもします。
野焼き収めて村の一団 ゆき(春)f
*この句も前句との距離感に悩みました。句としては季語と「村の一団」がごく自然になじんでいます。
目刺を狙ふ猫の密談 炬燵猫(春)f
*この句をいただきます。
新社員らのギター漫談 芳(春)f
*歓迎会の余興の場面でしょうか、一躍人気者になったりして、面白い取り合わせになりました。現代風刺にもなっていますね。
種蒔きしつつまたも縁談 しをん(春)f
*「種蒔き」と「縁談」向かうところは繋がっていますね。
子犬鳴いてるタンポポ花壇 今日(春)f
*11句目のところで書きましたが、ここは植物は避けましょうとお願いをしました。13句目に植物は持って行きたいということなんです。
春鹿のごと歌ふヒゲダン 安庵(春)f
*「ヒゲダン」は人気グループでしょうが、人口に膾炙するとまでは至っていないようなので、ここは見送りましょう。先取りすればいいというものでもないと思いますが、脚韻として「ヒゲダン」を思いつかれた点は買います。