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#57229
光明
ゲスト

インターネット連句
 重伍・二十五句「一輪の紅」 16句目
8月28日
 皆様、おまたせしました。16句目は春の短句ということで、8句の候補句が集まりました。その中から、春の昆虫の代表と言える「蝶々」をお詠みになられた、しをんさんの「木の芽峠を越えし蝶々」を採りました。多分この「木の芽峠」は、古来より禁忌と北陸を結ぶ実在する峠のことで、そこは古くは源平両軍、曹洞宗の開祖道元、浄土真宗中興の祖蓮如、新田義貞などが峠越えをした由緒ある場所と言えますね。無論、北陸路を行き交った瞽女も通ったことでしょう。

 次は17句目、雑の句に「Go」音字を1字入れてお詠み下さい。

 今回の「重伍」形式、表・裏はございませんが、基本的な式目は歌仙式に倣って進めたいと思います。なお仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は一語一会です。
 それでは、17句目の締切りを8月30日の20時とします。揮ってご投句ください。

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   重伍・二十五句「一輪の紅」  2020.08.01起首

1  初萩の一輪の紅愛しむかな      メロン(秋)
2   夢路抜け出し潜む邯鄲        光明(秋)
3  名月に稚児は上手に正座して     すみれ(月)「児」
4   将棋教室賑はひを見せ         芳(雑)
5  評判の御膳汁粉を注文す        ゆき(雑)「御」

6   村に伝はるかつぱ伝説        遥夢(雑)
7  淋しさはいづこへ剥かむ冬林檎    しをん(冬)「檎」
8   誰が編んだか彼のセーター      秋草(冬恋)
9  語塞がり涙ながるるプロポーズ     安庵(恋)「語」
10  壕の入り口未来受け入れ       今日(恋)

11 田遊びの振舞酒でご機嫌に       遥夢(新年)「ご」
12  大間のマグロ今年競り勝つ       芳(新年)
13 鐘の音を遠くに聞いて術後の夜     安庵(雑)「後」
14  思ひがけない春の雪降る      すみれ(春)
15 門付けの瞽女の挿したる藪つばき    ゆき(春)「瞽」

16  木の芽峠を越えし蝶々       しをん(春)
17                      (雑)「Go」音字
18                      (雑)
19                      (夏月)「Go」音字
20                      (夏)

21                      (雑)「Go」音字
22                      (雑)
23                      (花)「Go」音字
24                      (春)
25                      (春)「Go」音字

皆様の付句
すました顔で通る親猫       すみれ(春)
*挙句に懸けて、もう一度春の句を詠む場所があるということから、ここでは春の句を軽く詠むという考えもあると思います。その考えが現れたあっさりした句になりました。

遠く聞こえる亀の看経        秋草(春)
*私が気が付くのが遅かったので早めにご注意ができませんでした。13句目に「遠くに聞いて」と出ていました。「心耳に響く亀の看経」と詠むこともできますね。

リモートで会ふ巴里の玄鳥      小石(春)
*新型コロナ禍によって、昨今はリモート流行りですね。リモート連句も実行されているようです。50年前の大阪万博で未来の情報家電として、「テレビ電話」が出品されていましたが、現在はすでにパソコンやスマホによって実用化され、複数の方と同時通信もできるということで、連句の座への利用が進んでいますね。
この句は巴里の相手が見せてくれた「玄鳥」との出会いを、感動的に描いて新しい時代の句になりました。

木の芽峠を越えし蝶々       しをん(春)
*この句をいただきました。

お地蔵さまと戯れる蝶        ゆき(春)
*「お地蔵さまも蝶と戯れ」と視点を変えてみるのもよいかと。

裏の山から鶯の声          遥夢(春)
*「藪つばき」の出どころとしての「裏山」はありかと思いますが、13句目に「鐘の音を遠くに聞いて」と、耳を傾けた経緯があるので、「鶯の声」が聞こえても応えられない気もしますが、音の種類が違うということでオッケーかも。

不安な声の孕猫撫で          芳(春)
*この句も猫が登場しますが、「孕猫」ということで、「不安な声」がお産間近という状況をうまく描き出しています。

お玉杓子に四肢の散見        今日(春)
*お玉杓子は蛙の子、という現実を再認識させてくれました。