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#57278
光明
ゲスト

インターネット連句
 重伍・二十五句「一輪の紅」 17句目
8月30日
 皆様、おまたせしました。17句目は雑の句ですが、「Go」音字詠み込みという事で、9
句の投句がございました。その中から消しゴム判子を句に詠んだ、秋草さんの「消しゴムで落款作り旅便り」を「消しゴムで作る落款旅便り」と、「り」音の繰返しで句意が流れないように修正して採りました。

 次は18句目、雑の短句を仮名留めでお詠み下さい。

 今回の「重伍」形式、表・裏はございませんが、基本的な式目は歌仙式に倣って進めたいと思います。なお仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は一語一会です。
 それでは、18句目の締切りを9月1日の20時とします。揮ってご投句ください。

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   重伍・二十五句「一輪の紅」  2020.08.01起首

1  初萩の一輪の紅愛しむかな      メロン(秋)
2   夢路抜け出し潜む邯鄲        光明(秋)
3  名月に稚児は上手に正座して     すみれ(月)「児」
4   将棋教室賑はひを見せ         芳(雑)
5  評判の御膳汁粉を注文す        ゆき(雑)「御」

6   村に伝はるかつぱ伝説        遥夢(雑)
7  淋しさはいづこへ剥かむ冬林檎    しをん(冬)「檎」
8   誰が編んだか彼のセーター      秋草(冬恋)
9  語塞がり涙ながるるプロポーズ     安庵(恋)「語」
10  壕の入り口未来受け入れ       今日(恋)

11 田遊びの振舞酒でご機嫌に       遥夢(新年)「ご」
12  大間のマグロ今年競り勝つ       芳(新年)
13 鐘の音を遠くに聞いて術後の夜     安庵(雑)「後」
14  思ひがけない春の雪降る      すみれ(春)
15 門付けの瞽女の挿したる藪つばき    ゆき(春)「瞽」

16  木の芽峠を越えし蝶々       しをん(春)
17 消しゴムで作る落款旅便り       秋草(雑)「ゴ」
18                      (雑)
19                      (夏月)「Go」音字
20                      (夏)

21                      (雑)「Go」音字
22                      (雑)
23                      (花)「Go」音字
24                      (春)
25                      (春)「Go」音字

皆様の付句
村境互角の力腕相撲          今日(雑)「互」
*6句目に「村」は出ていますね。前句に「峠」があり、続けて「村境」と来ると景が見えすぎますね。「決勝は互角の力腕相撲」とすればどうでしょう。

消しゴムで落款作り旅便り       秋草(雑)「ゴ」
*この句を「消しゴムで作る落款旅便り」としていただきました、

石垣は堅固な守り偲ばせて       遥夢(雑)「固」
*「偲ばせ」ではなく「忍ばせ」だと思いますが、少しニュアンス変えて「石垣は堅固な守り築かれて」と。

始発バスわずかな誤差で乗り遅れ   すみれ(雑)「誤」
*ここまで乗物の句は出ていないので、いい発想だと思いますが、「誤差」という語句が強調され過ぎのように思います。普通は「間に合わなくて乗り遅れ」が常套語だからでしょう。「始発バスわずかな誤差で到着す」という言い方もできますね。

紛糾の役員互選 P T A         ゆき(雑)「互」
*この場合、「互選」ではなくて「紛糾の役員選挙P T A」かとも思いますが、ここは原句通り「紛糾の役員互選 P T A」の方が、「互選」の意味を考えれば」「紛糾」状態をより伝えてくれますね。

掛軸は一期一会の薄茶席       しをん(雑)「期」
*気づくのが遅くて残念ですが、「一」字が発句に既出でしたね。

呉須の皿メルカリに出しすぐ買はれ   小石(雑)「呉」
*新しい言葉としての「メルカリ」について、私は言葉にはその意味だけではなく、興趣という味わいや趣きが備わっていると考えます。だからこそ詩語としての働きを担うことができるのでしょう。それが新しい言葉にはまだ備わっていないように思われます。単に固有名詞だから意味が伝わればいいのかも知れませんが、句としてはそれだけ使い方も難しいのではないでしょうか。

ゴンドラの終点まだか父に問ふ      芳(雑)「ゴ」
*ロープウエイを漢字で書くと「架空索道」になります。ケーブルに吊るされたゴンドラは、高所恐怖症の方にとっては搭乗中は辛いものだと思います。早く頂上駅に着かないかなとの、子供の思いが父親への問いになったものでしょう。無論、眼下には峠道も俯瞰できる情景ですね。

ひらひらと京の五条に若衆が      安庵(雑)「五」
*ぎりぎりで間に合いましたね。この句は牛若丸(源義経)の面影だと思います。前句の「蝶々」を「ひらひらと」で受けた転じは、鞍馬の天狗の元で修業した牛若丸の身の軽さをうまく活かしていますね。