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光明
ゲスト

インターネット連句
 重伍・二十五句「一輪の紅」 24句目
9月13日
 皆様、おまたせしました。24句目は花前の春の短句です。8句お詠みいただき、その中から、前句の「爺」さんの正体は「噺家」だったという読みをされた、しをんさんの「猫の子じやるる噺家の路地」を「路」字が既出なので、「露地」に修正して採りました。「猫の子」と「噺家」の取り合わせに長閑さも感じ、挙句前の句としての役割を果たしております。

 いよいよ挙句となりました。長句の挙句は珍しく、みなさん初めて詠まれると思います。これ以上の変化発展を止めて、一巻を完結させる、そんな役割を担っていただく挙句が詠まれるか、とても楽しみです。

 それでは、最後の「Go」音字1字詠み込みで、春の長句を三春か晩春の季語でお詠み下さい。

 今回の「重伍」形式、表・裏はございませんが、基本的な式目は歌仙式に倣って進めたいと思います。なお仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は一語一会です。
 最後となる25句目挙句の締切りを、9月15日の20時とします。揮ってご投句ください。この形式は長句が挙句になります。

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   重伍・二十五句「一輪の紅」  2020.08.01起首

1  初萩の一輪の紅愛しむかな      メロン(秋)
2   夢路抜け出し潜む邯鄲        光明(秋)
3  名月に稚児は上手に正座して     すみれ(月)「児」
4   将棋教室賑はひを見せ         芳(雑)
5  評判の御膳汁粉を注文す        ゆき(雑)「御」

6   村に伝はるかつぱ伝説        遥夢(雑)
7  淋しさはいづこへ剥かむ冬林檎    しをん(冬)「檎」
8   誰が編んだか彼のセーター      秋草(冬恋)
9  語塞がり涙ながるるプロポーズ     安庵(恋)「語」
10  壕の入り口未来受け入れ       今日(恋)

11 田遊びの振舞酒でご機嫌に       遥夢(新年)「ご」
12  大間のマグロ今年競り勝つ       芳(新年)
13 鐘の音を遠くに聞いて術後の夜     安庵(雑)「後」
14  思ひがけない春の雪降る      すみれ(春)
15 門付けの瞽女の挿したる藪つばき    ゆき(春)「瞽」

16  木の芽峠を越えし蝶々       しをん(春)
17 消しゴムで作る落款旅便り       秋草(雑)「ゴ」
18  まだ覚えてる校歌ハミング      小石(雑)
19 五十階ペントハウスの月涼し     炬燵猫(夏月)「五」
20  裸足に痛き人工の芝         小石(夏)

21 アンカーのテープ切りたる牛蒡ぬき   ゆき(雑)「牛」
22  ゆらりふはりと熱気球飛ぶ      秋草(雑)
23 爺と婆介護しあつて花を待つ     すみれ(花)「護」
24  猫の子じやるる噺家の露地     しをん(春)
25                      (春)「Go」音字

皆様の付句
猫の子じやるる噺家の路地     しをん(春)
*この句をいただきますが、「路」字既出なので「露地」にしましょう。

雀の親子軒端賑はし         ゆき(春)
*飛ぶものとして、すでに「熱気球」や「蝶々」が出ていますので、鳥類は二番手になりますね。

お陰参に向かふ軽トラ        安庵(春)
*「軽トラ」は農作業に必需の運搬具ですね。それを「お陰参」に使用するという発想がいいですね。如何せん、前句で「花を待つ」という、挙句に向けての下地を詠まれたところを、急に動き出すのは流れを阻むことになると思います。

どの子も宝なめる親猫         芳(春)
*この句は、「どの子も宝」と言い切る猫の親子の関係性が、前句の「介護しあつて」と響き合っています。

うまく鳴けない庭の鶯       すみれ(春)
*「うまく鳴けない」が、新しい命の誕生を描いて前句の「爺と婆」に繋がっています。惜しむらくは,先にも述べました飛ぶものが重なったことですね。

白い仔馬の駆ける牧原        遥夢(春)
*時間が停止したような、絵になる光景だと思います。ある意味、そこが物足りないのかも知れません。

黙の杖立つ軟東風の庭        今日(春)
*「黙の杖折る軟東風の庭」とすればいかかでしょう。曳杖の旅に暮れた人生行路の終焉とも読めるのではないでしょうか。

若き日忍ぶ暮遅し日は        秋草(春)
*懐旧の念のスイッチを入れるのは季の移ろいでしょうか。「若き日」が前句に対して直接的すぎる語彙になっています。「暮れ遅きゆゑ偲ぶ過ぎし日」でいかがでしょう。