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#58032
光明
ゲスト

インターネット連句
 鳳蝶「仏蘭西の友」  
10月5日
 皆様、お待たせしました。発句・脇句に続くいわゆる第三の句に10句お詠みいただきました。
 第三は、発句の格調を一〇とすると八か九ぐらいの高さが求められます。それは一巻の実質的な展開と変化の始まりが、発句・脇句に次ぐ第三とされているからです。
 その観点から選んだのが、秋草さんの「蔦紅葉城壁朱く彩りて」と、古城を詠んで、日本でも西洋でも両方の読みができる句で、次の付け合いも楽しみです。

 次の右4句目は雑の短句を仮名留めでお詠み下さい。

 今回の形式「鳳蝶」には表・裏はございませんが、基本的な式目は歌仙式に倣って進めたいと思います。なお仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は一語一会です。
 それでは、右4句目の締切りを10月7日の20時とします。揮ってご投句ください。

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   鳳蝶「仏蘭西の友」  2020.10.02起首

右 名月や声懐かしき長電話         芳(月)
   葡萄酒醸す仏蘭西の友        光明(秋)
  蔦紅葉城壁朱く彩りて         秋草(秋)
                       (雑)
                       (雑)
                       (夏)
                       (夏)
                       (雑)

中                      (雑)
                       (恋)
                       (恋)
                       (恋)

左                      (冬)
                       (冬)
                       (雑)
                       (新年)
                       (雑)
                       (春)
                       (花)
                       (春)

皆様の付句
秋トリュフなにごころなく微笑みて   安庵(秋)
*ワインに料理の素材の「トリュフ」を擬人化しての付けとなりましたが、句柄としては弱いように思います。単に「トリュフ」への嬉しさが微笑みとなったのかも。

秋寂びぬ湖の色さへ深まりて      ゆき(秋)
*「湖」を詠んだのは良かったと思いますが、情感の季語なので明確な秋の色彩が欲しいですね。

さざ波は秋の蝶より放たれて      小石(秋)
*この形式、「蝶」を詠み込むことになっていますが、少し早いなというのが実感です。「蝶」が立てる「漣」という詩的表現は私の好みですが。

街角に焼栗の香の漂ひて        遥夢(秋)
*「街角」という設定が少し甘いかなというのが、第一印象ですね。
「羅甸区に焼栗の香の漂ひて」でどうでしょう。

赤とんぼいたずら風と戯れて     すみれ(秋)
*「蝶」が詠まれる事が約束としてあって、同じ昆虫の「赤蜻蛉」を出すというのは、ある意味冒険ですね。第三としては採りたくなる句です。

秋の田にドローン数機滑らかに      芳(秋)
*「ドローン数機」の位置関係がよく見えません。高度はどれくらいなんでしょう。実る稲穂を刈るように飛んでいるのか、舐めるようにか、悩みます。

蔦紅葉城壁朱く彩りて         秋草(秋)
*この句をいただきます。

秋冷の十指それぞれ名のありて    しをん(秋)
*身体部位へと、発句・脇句の世界からうまく転じています。指それぞれの名前という発想もいいですね。

秋の蝶国道沿ひを彷徨ひて      炬燵猫(秋)
*第三ですから、デーンと構えた所が欲しい気分です。

夕暮れに影重なりて美術展       閑坐(秋)
*第三の仮名留めをお願いしていましたので、韻字留めは避けたい処です。それと発句で月が詠まれているので、打越の第三で夕暮れを出すと、夜分の観音開きになるので、これは嫌われます。