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インターネット連句
鳳蝶「仏蘭西の友」
10月5日
皆様、お待たせしました。発句・脇句に続くいわゆる第三の句に10句お詠みいただきました。
第三は、発句の格調を一〇とすると八か九ぐらいの高さが求められます。それは一巻の実質的な展開と変化の始まりが、発句・脇句に次ぐ第三とされているからです。
その観点から選んだのが、秋草さんの「蔦紅葉城壁朱く彩りて」と、古城を詠んで、日本でも西洋でも両方の読みができる句で、次の付け合いも楽しみです。
次の右4句目は雑の短句を仮名留めでお詠み下さい。
今回の形式「鳳蝶」には表・裏はございませんが、基本的な式目は歌仙式に倣って進めたいと思います。なお仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は一語一会です。
それでは、右4句目の締切りを10月7日の20時とします。揮ってご投句ください。
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鳳蝶「仏蘭西の友」 2020.10.02起首
右 名月や声懐かしき長電話 芳(月)
葡萄酒醸す仏蘭西の友 光明(秋)
蔦紅葉城壁朱く彩りて 秋草(秋)
(雑)
(雑)
(夏)
(夏)
(雑)
中 (雑)
(恋)
(恋)
(恋)
左 (冬)
(冬)
(雑)
(新年)
(雑)
(春)
(花)
(春)
皆様の付句
秋トリュフなにごころなく微笑みて 安庵(秋)
*ワインに料理の素材の「トリュフ」を擬人化しての付けとなりましたが、句柄としては弱いように思います。単に「トリュフ」への嬉しさが微笑みとなったのかも。
秋寂びぬ湖の色さへ深まりて ゆき(秋)
*「湖」を詠んだのは良かったと思いますが、情感の季語なので明確な秋の色彩が欲しいですね。
さざ波は秋の蝶より放たれて 小石(秋)
*この形式、「蝶」を詠み込むことになっていますが、少し早いなというのが実感です。「蝶」が立てる「漣」という詩的表現は私の好みですが。
街角に焼栗の香の漂ひて 遥夢(秋)
*「街角」という設定が少し甘いかなというのが、第一印象ですね。
「羅甸区に焼栗の香の漂ひて」でどうでしょう。
赤とんぼいたずら風と戯れて すみれ(秋)
*「蝶」が詠まれる事が約束としてあって、同じ昆虫の「赤蜻蛉」を出すというのは、ある意味冒険ですね。第三としては採りたくなる句です。
秋の田にドローン数機滑らかに 芳(秋)
*「ドローン数機」の位置関係がよく見えません。高度はどれくらいなんでしょう。実る稲穂を刈るように飛んでいるのか、舐めるようにか、悩みます。
蔦紅葉城壁朱く彩りて 秋草(秋)
*この句をいただきます。
秋冷の十指それぞれ名のありて しをん(秋)
*身体部位へと、発句・脇句の世界からうまく転じています。指それぞれの名前という発想もいいですね。
秋の蝶国道沿ひを彷徨ひて 炬燵猫(秋)
*第三ですから、デーンと構えた所が欲しい気分です。
夕暮れに影重なりて美術展 閑坐(秋)
*第三の仮名留めをお願いしていましたので、韻字留めは避けたい処です。それと発句で月が詠まれているので、打越の第三で夕暮れを出すと、夜分の観音開きになるので、これは嫌われます。