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インターネット連句
鳳蝶「仏蘭西の友」
10月13日
皆様、お待たせしました。右7句目は夏の句です。常々漢字留めの観音開きを避ける捌きをしてまいりましたが、同様に長句の上句の「の留め」も気になる観音開きです。今回、「甚平の」「すててこの」「最速の」「過ぎし日の」「少女らの」「夏雲の」と、九句の内六句が5句目の「あやとりの」と「の留め」の観音開きになっています。できれば、このような点も同じ形を避けるためには、気にしていただければと思います。
ということもあってというより、句材の取り合わせの面白さに魅かれて、しをんさんの「熱帯魚横目にヨガの猫ポーズ」を採りました。銭湯のスペースを有効利用したヨガ教室が目に浮かびます。
次の右8句目は雑の短句を仮名留めでお詠み下さい。
今回の形式「鳳蝶」には表・裏はございませんが、基本的な式目は歌仙式に倣って進めたいと思います。なお仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は一語一会です。
それでは、右8句目の締切りを10月15日の20時とします。揮ってご投句ください。
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鳳蝶「仏蘭西の友」 2020.10.02起首
右 名月や声懐かしき長電話 芳(月)
葡萄酒醸す仏蘭西の友 光明(秋)
蔦紅葉城壁朱く彩りて 秋草(秋)
眼鏡はづして合はすフォーカス 小石(雑)
あやとりの川がたちまち山となり しをん(雑)
風通りくる湯屋の籐椅子 炬燵猫(夏)
熱帯魚横目にヨガの猫ポーズ しをん(夏)
(雑)
中 (雑)
(恋)
(恋)
(恋)
左 (冬)
(冬)
(雑)
(新年)
(雑)
(春)
(花)
(春)
皆様の付句
甚平のぱらぱら無料求人誌 遊子(夏)
*求職中の人物像のアイテムとして、家庭着の「甚平」にはある意味余裕が垣間見られるようです。切実さを感じさせない点が佳かったと思います。
熱帯魚横目にヨガの猫ポーズ しをん(夏)
*この句をいただきます。
タオル掛け酸漿市に人を待つ 閑坐(夏)
*酸漿市の売り子さんが思われますが、「タオル掛け」だと、そのまま「タオルを引っ掛ける」用具を最初にイメージさせる恐れがありますね。「タオル巻き酸漿市に人を待つ」とすれば仕事師が目に浮かぶと思います。
すててこのままで父ちやん将棋さす すみれ(夏)
*昭和の夏の風俗として、お父ちゃんは「ステテコに腹巻」でお母ちゃんは「アッパッパ」が、漫画的に思い浮かびます。「バカボンのパパ」の影響でしょうか。
最速の索麺流し箸構へ 芳(夏)
*納涼感満点の風物詩として絵にもなるのが「ソーメン流し」ですね。ここでの「最速」とは、水量の多さと急傾斜を流し竹に凝らしているためだと思います。「遅め」「普通」「最速」と速さのレベルが分けられ、「最速」は子供向きではないベテラン向きの設定でしょうね。
過ぎし日のこと思ひ出す遠花火 遥夢(夏花)
*近くで観るよりも距離を置くことで、爆発音と光のズレが生じ、その間に物思う時間も生れるというのが、遠花火の風情だと思います。問題は「花火」が夏の正花という点です。普通の展開ならそれもありでしょうが、今回は形式の紹介を行いながらの興行ということもあり、「正花」の句は後半に置いときたいので採れませんでした。
少女らの背な潑剌と衣替 秋草(夏)
*学校の制服でしょうか、女生徒の集団を見ての発想だと思います。生命感に満ち溢れた世代の躍動を、季節感の内にうまく切取りましたね。
歩道橋挨拶交はす初浴衣 炬燵猫(夏)
*歩道橋という、和服には歩きにくい場所での出会いと挨拶、その設定に俳諧味を感じます。
夏雲の白さ届かぬ深庇 ゆき(夏)
*前句が「湯屋」という建築物なので、続けて構造物である「庇」を詠むのは想像力の近さを感じさせて勿体ないと思います。