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インターネット連句
鳳蝶「仏蘭西の友」
10月31日
皆様、お待たせしました。左4句目は新年の句を求めました。普通はあえて新年を入れることはないと思いますが、新たな年の始まりの気分を思い出したく、私はよく新年の句を求めます。そこで、まさに新年の淑気を詠んでいただいた遥夢さんの、「淑気の中に仰ぐ富士の嶺」を採りました。前句の「離れ」から望むことのできる富士山という、これ以上は無いという取り合わせも気に入りました。
次の、左5句目は雑の長句を仮名留めでお詠みください。
今回の形式「鳳蝶」には表・裏はございませんが、基本的な式目は歌仙式に倣って進めたいと思います。なお仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は一語一会です。
それでは、左5句目の締切りを11月2日の20時とします。揮ってご投句ください。11月からは偶数日が締切りです。この流れで行きますと、立冬の翌日(8日)に満尾となりますね。
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鳳蝶「仏蘭西の友」 2020.10.02起首
右 名月や声懐かしき長電話 芳(月)
葡萄酒醸す仏蘭西の友 光明(秋)
蔦紅葉城壁朱く彩りて 秋草(秋)
眼鏡はづして合はすフォーカス 小石(雑)
あやとりの川がたちまち山となり しをん(雑)
風通りくる湯屋の籐椅子 炬燵猫(夏)
熱帯魚横目にヨガの猫ポーズ しをん(夏)
がつつり飯のレシピ定まる 遊子(雑)
中 箸置きは清水焼の色違ひ 安庵(恋)
切符二枚を予約する夢 ゆき(恋)
シューマンの余韻に浸る初デート 遥夢(恋)
そつと触れたる弥陀のてのひら 遊子(雑)
左 凍蝶は優しき月に見守られ すみれ(冬月)
何を贈らう終のボーナス 芳(冬)
故郷の父母へ離れの設計図 メロン(雑)
淑気の中に仰ぐ富士の嶺 遥夢(新年)
(雑)
(春)
(花)
(春)
皆様の付句
坊主めくりに笑ひあふるる すみれ(新年)
*「坊主めくり」は新年の季語である「百人一首」を用いますが、かといって新年の季語にはならないようです。それから「坊主」が中4句目の「弥陀」と、釈教の措辞の差合いとも言えますね。
南の島で祝ふ新年 ゆき(新年)
*芸能人は新年をハワイで過ごすというのが、ステータスの証しの様ですが、今年はコロナの影響で、航空機も欠航しているようです。昭和的な雰囲気のある、俳諧味に溢れた句だと思います。
木の香清しき歳徳の棚 遊子(新年)
*新年を迎える準備として歳徳神を祀る棚を、その年の恵方の方向に設えます。それを木の香りで描くことで、新年らしさを強調した句になりました。
日記始に記す健康 秋草(新年)
*若い時には気にしなかったことが、ある時期から気になり出すという、まさに身に沁みるテーマの句を詠まれました。
淑気の中に仰ぐ富士の嶺 遥夢(新年)
*この句をいただきます。お正月に求めるのはこの「淑気」以外何物でもありませんね。
淑気あふるる神鶏の庭 しをん(新年)
*「神鶏の庭」は確か熱田神宮にあったように思います。国文祭の連句大会を思い出しました。初詣の光景ながら、淑気の満ち満ちた感じが伝わります。
背筋正して集ふ元朝 芳(新年)
*「背筋」だけだと少し物足りなさを覚えました。