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インターネット連句
鳳蝶「仏蘭西の友」
11月2日
皆様、お待たせしました。左5句目は最後の雑の句で、八句お詠みいただきました。その中から、長い遠洋航海を終えて国に帰って来たのであろう、と読めるゆきさんの、「航海ををへて錨を今下ろす」を採りました。ただ、「をへて」では実感が湧き難いので「航海を結ぶ錨を今下ろす」としました。また、前句の「富士の嶺」が母国を象徴し、二句一章としての読みを深めました。
次の、左6句目は春の短句を仮名留めでお詠みください。花前です。
今回の形式「鳳蝶」には表・裏はございませんが、基本的な式目は歌仙式に倣って進めたいと思います。なお仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は一語一会です。
それでは、左6句目の締切りを11月4日の20時とします。揮ってご投句ください。11月からは偶数日が締切りです。
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鳳蝶「仏蘭西の友」 2020.10.02起首
右 名月や声懐かしき長電話 芳(月)
葡萄酒醸す仏蘭西の友 光明(秋)
蔦紅葉城壁朱く彩りて 秋草(秋)
眼鏡はづして合はすフォーカス 小石(雑)
あやとりの川がたちまち山となり しをん(雑)
風通りくる湯屋の籐椅子 炬燵猫(夏)
熱帯魚横目にヨガの猫ポーズ しをん(夏)
がつつり飯のレシピ定まる 遊子(雑)
中 箸置きは清水焼の色違ひ 安庵(恋)
切符二枚を予約する夢 ゆき(恋)
シューマンの余韻に浸る初デート 遥夢(恋)
そつと触れたる弥陀のてのひら 遊子(雑)
左 凍蝶は優しき月に見守られ すみれ(冬月)
何を贈らう終のボーナス 芳(冬)
故郷の父母へ離れの設計図 メロン(雑)
淑気の中に仰ぐ富士の嶺 遥夢(新年)
航海を結ぶ錨を今下ろす ゆき(雑)
(春)
(花)
(春)
皆様の付句
ブリリアントカットのダイヤ流転して 遊子(雑)
*「ブリリアンカット」から「流転」への想像の流れが、うまく働かないように思います。「ロマノフ家秘蔵のダイヤ流転して」とすればいかがでしょう。
蒼穹を飛行機雲のまつすぐに 秋草(雑)
*この句もよく付いていると思います。最近は「コントレール」が飛行機雲として使われますね。
いつの日かリーグ優勝子は誓ふ 遥夢(雑)
*「子」字が既出でした。「いつの日」「リーグ戦」「誓ふ」が、決定的な意味が弱いように思います。「子は果す日本選手権優勝を」。
万象を映す湖しめやかに メロン(雑)
*前句の「淑気」と「しめやかに」が、共に気分としての感覚表現なので、違和感を生じるかと思います。
Uターン決意定むる農継ぐと しをん(雑)
*推敲の余地あり、「Uターン農を継がんと決意する」という表現も出来ます。
ぶらり旅鈍行だけを乗り継いで すみれ(雑)
*青春18きっぷというのがありますね。春の句に繋がる長閑さを感じます。
航海ををへて錨を今下ろす ゆき(雑)
*この句をいただきますが、「航海を結ぶ錨を今下ろす」としましょう。
琺瑯の鍋に薬湯煮詰めつつ 炬燵猫(雑)
*「湯」字が既出ですので、「琺瑯の鍋に薬草煎じをり」という詠みもできますね。