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インターネット連句
鳳蝶「仏蘭西の友」
11月8日
皆様、お待たせしました。挙句です。7句の候補句が集まりました。その中から、すみれさんの「もてなしの茶に添へる草餅」を採りました。壺中天は異次元だけれど、お茶と草餅という不易なるものでの、もてなしで終ることにしました。
なお、芳さんのご指摘で左7句目「訪ふは壺中の天の花万朶」の「中」字が、左4句目に既出なのが分かりました。私の見落としです。「壷中」は直しようがないので、左4句目「淑気の中に仰ぐ富士の嶺」を、「淑気漲り仰ぐ富士の嶺」とさせていただきます。
約一か月間、お付き合いいただきありがとうございました。今回の「鳳蝶」形式、お楽しみいただけたでしょうか。ご参加くださいました皆様ご自身でも、この形式に挑戦していただければ、大変嬉しく存じます。
それでは、少しお休みしますが、今月中には、新規興行を始めたいと、次の形式を思案中です。改めて発句も募りますので、ご案内のあるまで暫くお待ちください。
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鳳蝶「仏蘭西の友」 2020.10.02起首 11.08満尾
右 名月や声懐かしき長電話 芳(月)
葡萄酒醸す仏蘭西の友 光明(秋)
蔦紅葉城壁朱く彩りて 秋草(秋)
眼鏡はづして合はすフォーカス 小石(雑)
あやとりの川がたちまち山となり しをん(雑)
風通りくる湯屋の籐椅子 炬燵猫(夏)
熱帯魚横目にヨガの猫ポーズ しをん(夏)
がつつり飯のレシピ定まる 遊子(雑)
中 箸置きは清水焼の色違ひ 安庵(恋)
切符二枚を予約する夢 ゆき(恋)
シューマンの余韻に浸る初デート 遥夢(恋)
そつと触れたる弥陀のてのひら 遊子(雑)
左 凍蝶は優しき月に見守られ すみれ(冬月)
何を贈らう終のボーナス 芳(冬)
故郷の父母へ離れの設計図 メロン(雑)
淑気漲り仰ぐ富士の嶺 遥夢(新年)修正
航海を結ぶ錨を今下ろす ゆき(雑)
シャトルコックは春へ突き抜け 遊子(春)
訪ふは壺中の天の花万朶 秋草(花)
もてなしの茶に添へる草餅 すみれ(春)
皆様の付句
小岩に廻り泳ぐ若鮎 閑坐(春)
*「渕の周りを泳ぐ若鮎」でしょうか。但し、「熱帯魚」が右7句目に詠まれていますので、挙句での魚類は採れないですね。
もてなしの茶に添へる草餅 すみれ(春)
*この句をいただきます。
小さなリュック遠足の列 芳(春)
*「小さなリュック」で、幼らを想わせる隠喩表現がいいですね。
陽炎燃ゆるふるさとの丘 しをん(春)
*左3句目に「故郷」が使われていますね。「陽炎燃ゆるキュビスムの丘」と大胆に。
糸遊の立つ畔に一服 遥夢(春)
*「一服」だと、挙句感が薄く、継続性を感じてしまいますね。
かげろふ揺らぐ落人の里 秋草(春)
*陽炎が三句続きました。前句の「壺中天」に対する世界感とも読めますね。
「落人」か「落武者」か迷います。
清明の雨降れる庭園 日和(春)
*「清明」は左4の「淑気」と、共に気分の好さを表わす時候の季語なので、やや差し合うように思います。その意味で、「清明の雨」という表現には無理があると思います。挙句としては、なおさら「清明ゆゑに奮ふ庭園」とでもすべきかと。