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#63809
光明
ゲスト

インターネット連句
 本宝塚「雪螢」の巻
12月31日
 皆様おまたせしました。月の連の三句目は月の句です。2020年最後の選句となりました。月の句の候補句は9句集まりました。大晦日にも関わらずに付け句をされた意気込みに脱帽です。
 さて、選んだのは遊子さんの「ひたひたと帰山の僧の月を連れ」です。まさに大晦日に出た十六夜の月とこれから除夜の鐘を撞くであろうと想像できる、僧を詠まれた今年の締め括りとなる実感溢れた句になりました。

 次の月の連四句目は、秋の短句をお詠み下さい。

 「宝塚」には表・裏はございませんが、基本的な式目は歌仙式に倣って進めたいと思います。なお仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は月・花以外は一語一会です。

 この一年、投句をしていただいた皆様に感謝を申し上げます。ありがとうございました。そして、厄病退散を願うと共に、皆様がよい新年を迎えられますことを祈念します。
 それでは、月の連四句目の締切りを正月2日の20時とします。揮ってご投句ください。1月からは偶数日が締切となります。

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   本宝塚「雪螢」    2020.12.01起首
雪の連
  行く先を風に任せて雪蛍          芳(冬)  雪
   紫キャベツサラダ彩り         光明(冬)
  君笑めば凍てる心も溶くるらん      遥夢(冬恋)
   在宅ワーク募る逢ひたさ       炬燵猫(恋)
  センサーで手水オン・オフ初社      日和(新年)
   毬杖打ちの村は賑はひ       マリンバ(新年)
  笛太鼓東京音頭繰返し          晋山(雑)
星の連
   とんび輪を描く原つぱの上       秋草(雑)
  日焼した顔も晴れやかバイク旅     すみれ(夏)
   負けん気を出すラムネ早飲み       芳(夏)
  夏星のひとつ二人の星と決め       ゆき(夏恋) 星
   季の移ろひに歩み揃はず       メロン(恋)
  白無垢のお色直しはチマチョゴリ      芳(恋)
   済州島(チェジュ)の浜辺で探す貝殻 しをん(雑)
月の連
  携帯はもうすぐ電池切れさうで     すみれ(雑)
   蓑虫鳴けば猫の耳立ち         秋草(秋)
  ひたひたと帰山の僧の月を連れ      遊子(月)  月
                        (秋)
                        (秋恋)
                        (恋)
                        (雑)

皆様の付句
ひたひたと帰山の僧の月を連れ     遊子(月) 月
*この句をいただきます。

荒む世に慈光遍く望の月        遥夢(月) 月
*まさに私の名、「光明」を発する満月を詠まれました。普遍的な月光の力を恃みたいとの思いは同感です。

繊月に妖怪潜む木暗がり        秋草(月) 月
*「繊月」と「妖怪」を取り合わすという発想はいいですね。「猫の耳立ち」はは「妖怪」に自然に結び付きます。

煌々と廃墟を照らす青い月      すみれ(月) 月
*この「廃墟」は気になりますね。歴史的なものか戦災によるものか、それとも自然災害か、読み手の付け句次第という仕立て方は、それなりの楽しみがあります。

コロナ禍の心の焔蒼き月        日和(月) 月
*心の保ち方がとても重要性を持つことを、この一年思い知らされました。特に目に見えない物への対処方には、困難を強いられるということ。

月の使者待つも苦渋のかぐや姫     晋山(月) 月
*「かぐや姫」は五人の貴公子から求婚されるお話、星の連の6句目とやや差し合うのでは、という判断も。

旧友を庵に招きて月の宴         芳(月) 月
*「旧友」が印象が弱いように思いました。句がさらっと流れてしまう感じがします。

アツアツの屋台のラーメン月昇る   炬燵猫(月) 月
*「屋台の」の「の」は不要。「アツアツの屋台ラーメン月昇る」ですね。勢いを感じさせる句になりました。「ラーメン」と「月昇る」合わないようで案外マッチしています。

月今宵願ひ一つをやりすごす     しをん(月) 月
*しをんさん、変換ミスは私もしょっちゅうやっています。気になさらないでください。「星に願いを」は有名ですが、そうではなくて「月に願いを」という句意、それも願いのひとつを掛けなかったという。悩まされる句です。