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インターネット連句
本宝塚「雪螢」の巻
1月2日
皆様
謹んで新春のお慶びを申し上げます
本年もご健吟、ご投句を祈願申し上げます
さて、新年最初の付け句となりました月の連の四句目は秋の短句です。二日にも関わらず、7句が集まりました。ありがとうございます。
その7句の内に、飲食に関する「きりたんぽ鍋」「干柿」「新走」「ましら酒」「鱲子」を詠んだ、5句がありました。さらに3句がお酒と酒肴を詠まれています。前句の「僧」家では隠語を用い、「酒」は「般若湯」と言い換えをされています。隠語では無いですが、唐の墨と形が似ているので同じ呼称を付けられたのが「鱲子」です。「僧」家では生臭物は忌避されますから、酒肴の天下の三珍の一つを「唐墨」(からすみ)と称したと、私は勝手な想像をしました。
その結果、炬燵猫さんの「老舗の秘伝旨き鱲子」を、「老舗の秘伝」だと散文調なので、ここはリズムよく「老舗秘伝の旨き鱲子」として、採りました。
月の連五句目は、秋恋の句又は恋句をお詠み下さい。
「宝塚」には表・裏はございませんが、基本的な式目は歌仙式に倣って進めたいと思います。なお仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は月・花以外は一語一会です。
月の連五句目の締切りを1月4日の20時とします。揮ってご投句ください。1月からは偶数日が締切となっています。
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本宝塚「雪螢」 2020.12.01起首
雪の連
行く先を風に任せて雪蛍 芳(冬) 雪
紫キャベツサラダ彩り 光明(冬)
君笑めば凍てる心も溶くるらん 遥夢(冬恋)
在宅ワーク募る逢ひたさ 炬燵猫(恋)
センサーで手水オン・オフ初社 日和(新年)
毬杖打ちの村は賑はひ マリンバ(新年)
笛太鼓東京音頭繰返し 晋山(雑)
星の連
とんび輪を描く原つぱの上 秋草(雑)
日焼した顔も晴れやかバイク旅 すみれ(夏)
負けん気を出すラムネ早飲み 芳(夏)
夏星のひとつ二人の星と決め ゆき(夏恋) 星
季の移ろひに歩み揃はず メロン(恋)
白無垢のお色直しはチマチョゴリ 芳(恋)
済州島(チェジュ)の浜辺で探す貝殻 しをん(雑)
月の連
携帯はもうすぐ電池切れさうで すみれ(雑)
蓑虫鳴けば猫の耳立ち 秋草(秋)
ひたひたと帰山の僧の月を連れ 遊子(月) 月
老舗秘伝の旨き鱲子(からすみ) 炬燵猫(秋)
(秋恋or恋)
(恋)
(雑)
皆様の付句
畳む天幕裾に草の実 遥夢(秋)
*「天幕」で行われたことを想像させる仕掛けが、「草の実」にヒントを持たせた、興味深い句です。
胃の腑に沁みるきりたんぽ鍋 芳(秋)
*「胃の腑に沁みる」という言い方、辞書には無いんですよね。「胃の腑に落ちる」が有って、「沁みる」は合せないようです。有るのは「身に沁みる」「目に沁みる」で、それに倣った言い方として発明されたようです。「すきっ腹にビールが沁みる」は聞いた覚えがあります。この句では「きりたんぽ鍋」が「沁みる」とされていますが、「きりたんぽ」は刺激的ではないので、句意としては馴染まないように私は思います。
土地の干し柿リュックで持参 晋山(秋)
*「土地」はやや抽象的な表現かも。具体的に「家」とかにして、「リュックに詰める家の干柿」とすれば句意が明確になります。
コスモス飾る部屋の片隅 すみれ(秋)
*「部屋の片隅」とは一体どこ?と、ふと考えます。もうすこし情報を盛り込みたいですね。
歯にしみとおる新走酌む 秋草(秋)
*酒と旅を愛した歌人、若山牧水を想いました。
探してみるかましら酒など しをん(秋)
*「探す」が既出なんですよね。「ましら酒」は人の手を経ないで醸された酒なので、「僧」に付くように思います。因みに「般若」は仏教語で根源的な叡智という意味です。
老舗の秘伝旨き鱲子(からすみ) 炬燵猫(秋)
*「老舗秘伝の旨き鱲子」として、この句をいただきます。