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#64285
光明
ゲスト

インターネット連句
 本宝塚「雪螢」の巻
1月16日
 皆様、お待たせしました。花の連四句目は最後の恋句です。春の恋でもオッケーとしました。そこでお詠みいただいたのが11句にもなりました。
 そのなかで、炬燵猫さんの「かりそめの妻のふりする遍路宿」が、宗教心が大きな要素である「遍路」に、艶めかしさを潜めた「かりそめの妻」を取り合わせた恋句になっており、これはお四国巡り自体が巨大な舞台空間とも言え、一番札所から八十八番までを巡ることによって、お遍路さんそれぞれの筋書きの無いドラマに発展させる装置となっていることからも、この句は存在感を発揮しています。

 花の連五句目は、春の短句をお詠み下さい。花前です。

 「宝塚」には表・裏はございませんが、基本的な式目は歌仙式に倣って進めたいと思います。なお仮名遣いは歴史的仮名遣いとさせていただきます。不馴れな方はこちらで直しますので現代仮名遣いでも結構です。また、同字は月・花以外は一語一会です。

 花の連五句目の締切りを1月18日の20時とします。揮ってご投句ください。1月からは偶数日が締切となっています。残り四句となりました。

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   本宝塚「雪螢」    2020.12.01起首
雪の連
  行く先を風に任せて雪蛍          芳(冬)  雪
   紫キャベツサラダ彩り         光明(冬)
  君笑めば凍てる心も溶くるらん      遥夢(冬恋)
   在宅ワーク募る逢ひたさ       炬燵猫(恋)
  センサーで手水オン・オフ初社      日和(新年)
   毬杖打ちの村は賑はひ       マリンバ(新年)
  笛太鼓東京音頭繰返し          晋山(雑)
星の連
   とんび輪を描く原つぱの上       秋草(雑)
  日焼した顔も晴れやかバイク旅     すみれ(夏)
   負けん気を出すラムネ早飲み       芳(夏)
  夏星のひとつ二人の星と決め       ゆき(夏恋) 星
   季の移ろひに歩み揃はず       メロン(恋)
  白無垢のお色直しはチマチョゴリ      芳(恋)
   済州島(チェジュ)の浜辺で探す貝殻 しをん(雑)
月の連
  携帯はもうすぐ電池切れさうで     すみれ(雑)
   蓑虫鳴けば猫の耳立ち         秋草(秋)
  ひたひたと帰山の僧の月を連れ      遊子(月)  月
   老舗秘伝の旨き鱲子(からすみ)   炬燵猫(秋)
  許されぬ恋語りたる素浄瑠璃       遥夢(恋)
   熱愛覚めて幕が下ろされ        ゆき(恋)
  坂道の彼方そびゆるビルがあり      揺子(雑)
花の連
   客足絶ゆる夜の居酒屋         晋山(雑)
  もう一度唇を当て投函す         ゆき(恋)
   偲ぶ思ひにいつかしら痩せ       秋草(恋)
  かりそめの妻のふりする遍路宿     炬燵猫(春恋)
                        (春)
                        (花)  花
                        (春)

皆様の付句
星朧小督局想夫憐           今日(春恋)
*お久し振りです。読み下しにして句にしてくださればと思います。

聞きなれし靴音待ちつ春の宵      揺子(春恋)
*「音」字既出ですが、「聞きなれし靴音を待つ春の宵」としましょう。採りたくなった句です。

藻塩焼く松帆の浦に待ちこがれ    しをん(恋)
*藤原定家の「来ぬ人を松帆の浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ」の本歌取り、というかダイジェスト版ですね。

溢れ出る思慕を抑えて麦を踏む     ゆき(春恋)
*残念ながら「思」字が既出ですね。「思慕」と「麦踏」の取り合わせはいいですね。

春燈に微笑艶めくひとは妻       遥夢(春恋)
*この句も残念ながら「笑」字既出でした。「春燈に美粧艶めくひとの妻」と、より妖艶なシーンにしてみました。

縁結ぶ小さき祠に列ができ      すみれ(恋)
*銀座のビルの谷間の細い路地奥にあったような「祠」ですね。土地柄も縁結びの重要な要素だと思います。

大門は遥かになりし主の里        芳(恋)
*遊郭の大門と見返り柳、まさに吉原に来ることができなくなった「主さま」の、いまの居所を花魁が思う句ですね。面白い視点です。

身ごもるを知らぬあなたのシャボン玉  遊子(春恋)
*ある意味「シャボン玉」は子の育ちの過程の悲劇を暗示するものなので、この句には複雑な思いを抱かされます。

かりそめの妻のふりする遍路宿    炬燵猫(春恋)
*この句をいただきます。

年老いてまた夫に順なる梅日和     晋山(春恋)
*字余りは極力避けるようにしましょう。ここは「また」を消せば句は成立します。「年老いて夫に順なる梅日和」からは、穏やかな老夫婦の日常が浮かび上がります。

春嵐涙で終わる物語          秋草(春恋)
*このままだと恋句としては弱いですね。「春嵐涙で終る恋語り」とすれば明確な恋句になりますね。